ゼロからの高校物理 / 物理基礎 / 運動の表し方

等速直線運動と等加速度直線運動の応用(2)

要点

位置(速度が一定)x = x0 + vt
位置(加速度が一定)x = x0 + v0t + 12at2
速度の式v = v0 + at
追いつくとき2人の位置が等しい

x0 は時刻 0 の位置。2・3行目は等加速度直線運動(加速度が一定)のとき

1追いつき

後ろの人が前の人に追いつくのは、2人の位置が等しくなるときです。

このページの問題は、どれも、正の向きと原点を決めてから、それぞれの物体の位置を時刻 t の式で表して解きます。

あなたと友だちが、まっすぐな道を自転車で右へ進みます。進む向き(右)を正の向きとし、時刻 0 に2人が並んでいた所を原点とします。時刻 0 に、あなたは原点で止まっていて、そこから加速度 +2.0 m/s² でこぎ出します。友だちは、時刻 0 に原点を +4.0 m/s で通り過ぎ、そのままの速度で進みます。

友だちは等速なので、位置は x = vt(速度 × 時間)= 4.0t です。あなたは加速度(1 秒あたりの速度の変化)が一定なので、位置の式 x = v0t + 12at2 を使います。v0(ブイ・ゼロ)は初速度、つまり時刻 0 の速度で、あなたは止まっていたので v0 = 0 です。だから、あなたの位置は x = 12 × 2.0 × t2 = 1.0t2 です。1 秒ごとの2人の位置と、2人の間の距離は、次の表のようになります。

時刻 t(s)01.02.03.04.0
友だちの位置(m)0+4.0+8.0+12+16
あなたの位置(m)0+1.0+4.0+9.0+16
2人の間の距離(m)03.04.03.00
友だちとあなたが、1本の道を自転車で右へ進む様子。友だちは時刻 0 に原点を 4.0 m/s で通り過ぎて、同じ速さで進む。あなたは時刻 0 に原点で止まっていて、そこからだんだん速くなる。2.0 秒後は友だちが +8.0 m、あなたが +4.0 m の所にいて、4.0 秒後に2人とも +16 m の所に並ぶ 友だち あなた 0 s 2.0 s 4.0 s 0 s 2.0 s 4.0 s 0481216 原点 x [m] 正の向き →
時刻 t 4.0 s 友だちの位置 +16.0 m あなたの位置 +16.0 m

時刻は実際の時刻です(1/2 の速さで動きます)。

x-t グラフは、横軸に時刻 t、縦軸に位置 x をとったグラフです。表の位置を、x-t グラフに点として打ちます。友だちの点は1本の直線に、あなたの点はだんだん急になる曲線に並びます。たとえば友だちの線の点(1.0 s, +4.0 m)は、「1.0 s 後に、友だちは原点から右へ 4.0 m の所にいる」という意味です。

表の 4.0 s を見ると、2人とも +16 m の所にいます。同じ時刻に同じ場所にいるので、ここであなたが友だちに追いつきます。x-t グラフでは、2本の線が交わる点(4.0 s, +16 m)が、追いつく時刻と場所です。

追いつく時刻は、「友だちの位置 = あなたの位置」として求めます。4.0t = 1.0t2 です。左辺を右辺へ移すと、t2 − 4.0t = 0 です。t でくくると、t × (t − 4.0) = 0 なので、t = 0 か t = 4.0 s です。

t = 0 は、出発の瞬間です。2人とも原点にいますが、これは追いついたのではなく、並んで出発しただけです。だから、追いつくのは t = 4.0 s です。その場所は、x = 4.0 × 4.0 = 16 m、原点から右へ 16 m の所です。4.0t = 1.0t2 の両辺を t で割ると、t = 4.0 だけが出てきて、t = 0 が見えなくなります。t でくくる形にすれば、t = 0 と t = 4.0 s の2つが出てきます。

表の「2人の間の距離」は、0、3.0、4.0、3.0、0 m と、2.0 s でいちばん大きくなります。2人の速度を、1 秒ごとに並べます。あなたの速度は、速度の式 v = v0 + at から v = 2.0t です。

時刻 t(s)01.02.03.04.0
友だちの速度(m/s)+4.0+4.0+4.0+4.0+4.0
あなたの速度(m/s)0+2.0+4.0+6.0+8.0

2.0 s までは、前にいる友だちのほうが速いので、2人の間は開いていきます。2.0 s を過ぎると、後ろのあなたのほうが速くなるので、2人の間は縮んでいきます。だから、この場面で2人の間がいちばん開くのは、2人の速度が等しくなる 2.0 s のときで、間の距離は 8.0 − 4.0 = 4.0 m です。

追いつくのは、速度が等しくなる 2.0 s ではなく、位置が等しくなる 4.0 s です。このとき、あなたの速度は +8.0 m/s、友だちの速度は +4.0 m/s で、等しくありません。

あなたと友だちの x-t グラフ。友だちの線は x = 4.0t の直線(太い実線)、あなたの線は x = 1.0t² の曲線(細い破線)で、どちらも 0 から 5.0 s まで描いている。名前は線の右端と、交わる点より左の2本が離れている所に付けている。2本の線は (4.0 s, +16 m) で交わる。時刻 t の縦の線と2本の線が交わる所に点があり、2つの点を結ぶ縦の線が2人の間の距離を表す x [m] t [s] 友だち あなた 友だち あなた 間の距離
間の距離 m() 友だちの速度 m/s あなたの速度 m/s

やってみよう

時刻 t を 4.0 s にしてから、5.0 s まで 1 目盛り(0.5 s)ずつ動かしてください。前にいるのはどちらですか。2人の間は開いていきますか、縮んでいきますか。

分かること

4.5 s で 2.3 m、5.0 s で 5.0 m(どちらも「あなたが前」)と、間は開いていきます。あなたの速度(+9.0、+10.0 m/s)のほうが、友だちの速度(+4.0 m/s)より大きいからです。

確認

あなたが友だちに追いつく瞬間、2人の速度は同じですか。

答え

いいえ。追いつく瞬間に等しいのは位置で、速度は等しいとは限りません。

例題

友だちは自転車で、原点を右向きに 3.0 m/s で通り過ぎ、そのまま同じ速度で進みます。同じ時刻に、あなたは原点で止まっていた自転車で、右向きに加速度 +2.0 m/s² でこぎ出します。あなたが友だちに追いつくのは何秒後ですか。また、それは原点からどちら向きに何 m の所ですか。

  1. 右を正の向きとします。原点は、2人が並んでいた所です。こぎ出した時刻を 0 とします。
  2. 友だちの位置は、x = 3.0t です。
  3. あなたの位置は、x = 12 × 2.0 × t2 = 1.0t2 です。
  4. 追いつくのは2人の位置が等しいときなので、3.0t = 1.0t2 です。
  5. t2 − 3.0t = 0 なので、t × (t − 3.0) = 0 で、t = 0 か t = 3.0 s です。
  6. t = 0 は出発の瞬間なので、追いつくのは 3.0 s 後です。
  7. その場所は、x = 3.0 × 3.0 = 9.0 m です。

答え: 3.0 s 後、原点から右向きに 9.0 m の所(+9.0 m)

2原点以外から出発するときの位置

時刻 0 に原点にいない物体の位置は、「出発した位置 + 進んだ分(変位)」です。

ここまでは、時刻 0 に物体が原点にいるとして、位置を求めてきました。ここでは、時刻 0 に原点から離れた所にいる物体を考えます。右を正の向きとします。友だちは、時刻 0 に原点から右へ 12 m の所にいて、そこから +2.0 m/s で右へ進みます。

友だちは等速なので、1 秒ごとに位置が +2.0 m ずつ変わります。時刻 0 から進んだ分(変位)と、友だちの位置を並べると、次の表のようになります。

時刻 t(s)01.02.03.0
時刻 0 から進んだ分(m)0+2.0+4.0+6.0
友だちの位置(m)+12+14+16+18

たとえば 1.0 s 後の位置は、出発した位置 +12 m に、進んだ分 +2.0 m を足した +14 m です。

原点から右へ 12 m の所にいた友だちが、+2.0 m/s で右へ進み、1 秒ごとに +14 m、+16 m、+18 m の所に来る様子。3.0 秒後の位置は、出発した位置 12 m と進んだ分 6.0 m を足した 18 m 正の向き → 友だち 0 s 1.0 s 2.0 s 3.0 s x [m] 048121620 原点 出発した位置 12 m 進んだ分 6.0 m
時刻 t 3.0 s 進んだ分 +6.0 m 位置 x +18.0 m

時刻は実際の時刻です(1/2 の速さで動きます)。

進んだ分は、等速直線運動の x = vt と同じ形で、2.0t です。友だちは 12 m の所から出発したので、位置はそれより 12 m だけ大きく、x = 12 + 2.0t です。3.0 s 後なら、x = 12 + 2.0 × 3.0 = 18 m で、表と同じです。

時刻 0 の位置を、x0 と書きます。「エックス・ゼロ」と読みます。小さな 0 は、v0 の 0 と同じで、「時刻 0 の」という意味です。時刻 0 に止まっていても動いていても、時刻 0 にいた位置が x0 です。x0 を使うと、等速直線運動の位置は次のように書けます。

x = x0 + vt

この場面では、x0 = +12 m、v = +2.0 m/s です。

加速度が一定のとき(等加速度直線運動)も同じで、出発した位置に、進んだ分の v0t + 12at2 を足します。

x = x0 + v0t + 12at2

たとえば、時刻 0 に原点から右へ 4.0 m の所で止まっていた自転車が、加速度 +2.0 m/s² で動き出すとします。3.0 s 後の位置は、x = 4.0 + 12 × 2.0 × 3.02 = 4.0 + 9.0 = 13 m で、原点から右へ 13 m の所です。x0 = 0 のときは、x = vt と x = v0t + 12at2 になり、今までの式に戻ります。

確認

右を正の向きとします。あなたの位置が x = −6.0 + 3.0t と表されるとき、−6.0 は何を表していますか。

答え

時刻 0 のあなたの位置 x0 です。原点から左へ 6.0 m の所から出発しています。

例題

あなたと友だちが、まっすぐな道を自転車で右へ進みます。時刻 0 に、あなたは原点で止まっていて、そこから右向きに加速度 +2.0 m/s² でこぎ出します。同じ時刻に、友だちは原点から右へ 15 m の所を右向きに 2.0 m/s で通り過ぎ、そのまま同じ速度で進みます。あなたが友だちに追いつくのは何秒後ですか。また、それは原点からどちら向きに何 m の所ですか。

  1. 右を正の向きとします。原点は、あなたが止まっていた所です。こぎ出した時刻を 0 とします。
  2. 友だちは x0 = +15 m、v = +2.0 m/s なので、位置は x = 15 + 2.0t です。
  3. あなたは x0 = 0、v0 = 0、a = +2.0 m/s² なので、位置は x = 12 × 2.0 × t2 = 1.0t2 です。
  4. 追いつくのは2人の位置が等しいときなので、1.0t2 = 15 + 2.0t です。
  5. 右辺を左辺へ移すと、t2 − 2.0t − 15 = 0 です。
  6. 掛けて −15、足して −2.0 になる2つの数は −5.0 と +3.0 なので、(t − 5.0)(t + 3.0) = 0 です。
  7. t = 5.0 s か t = −3.0 s です。
  8. t = −3.0 s は、時刻 0 より 3.0 s 前を表します。この問題は時刻 0 からの運動を考えているので、答えにしません。
  9. 追いつくのは 5.0 s 後で、その場所は x = 1.0 × 5.02 = 25 m です(友だちの式でも 15 + 2.0 × 5.0 = 25 m で同じ)。

答え: 5.0 s 後、原点から右向きに 25 m の所(+25 m)

練習問題

どの問題も一直線上の運動で、物体が進む向きを正の向きとします。

パターン1 追いつき

問1あなたと友だちが、まっすぐな道を自転車で右へ進みます。時刻 0 に、あなたは原点を右向きに 5.0 m/s で通り過ぎます。同じ時刻に、友だちは原点から右へ 20 m の所を右向きに 3.0 m/s で通り過ぎます。2人とも、そのままの速度で進みます。あなたが友だちに追いつくのは何秒後ですか。また、それは原点から右へ何 m の所ですか。

答えを見る

10 s 後、原点から右へ 50 m の所(+50 m)

右を正の向きとする。あなたの位置は x = 5.0t、友だちの位置は x = x0 + vt = 20 + 3.0t。追いつくのは位置が等しいときなので、5.0t = 20 + 3.0t。2.0t = 20 から t = 20 ÷ 2.0 = 10 s。場所は x = 5.0 × 10 = 50 m(友だちの式でも 20 + 3.0 × 10 = 50 m で同じ)。(参考: 1 秒ごとに2人の間が 5.0 − 3.0 = 2.0 m ずつ縮むので、20 m の間は 20 ÷ 2.0 = 10 s でなくなる、と考えても同じ)

問2あなたと友だちが、まっすぐな道を自転車で右へ進みます。時刻 0 に、あなたは原点で止まっていて、そこから右向きに加速度 +1.0 m/s² でこぎ出します。同じ時刻に、友だちは原点から右へ 14 m の所を右向きに 6.0 m/s で通り過ぎ、そのまま同じ速度で進みます。(1) あなたが友だちに追いつくまでに、2人の間の距離がいちばん大きくなるのは何秒後ですか。また、そのときの2人の間の距離を求めなさい。(2) あなたが友だちに追いつくのは何秒後ですか。また、それは原点から右へ何 m の所ですか。

答えを見る

(1) 6.0 s 後、32 m (2) 14 s 後、原点から右へ 98 m の所(+98 m)

右を正の向きとする。友だちの位置は x = x0 + vt = 14 + 6.0t、あなたの位置は x = 12 × 1.0 × t2 = 0.50t2、あなたの速度は v = 1.0t。(1) 前にいる友だちのほうが速いうちは、2人の間が開いていく。間がいちばん開くのは、2人の速度が等しくなるとき。1.0t = 6.0 から t = 6.0 ÷ 1.0 = 6.0 s。そのときの友だちの位置は 14 + 6.0 × 6.0 = 50 m、あなたの位置は 0.50 × 6.02 = 18 m。間の距離は 50 − 18 = 32 m。(2) 追いつくのは位置が等しいときなので、0.50t2 = 14 + 6.0t。両辺を 2 倍し、右辺を左辺へ移すと t2 − 12t − 28 = 0。掛けて −28、足して −12 になる2つの数は −14 と +2.0 なので、(t − 14)(t + 2.0) = 0 で、t = 14 s か t = −2.0 s。t = −2.0 s は時刻 0 より前なので答えにしない。追いつくのは 14 s 後で、場所は x = 0.50 × 142 = 98 m(友だちの式でも 14 + 6.0 × 14 = 98 m で同じ)

パターン2 原点以外から出発するときの位置

問3右を正の向きとします。自転車が、時刻 0 に原点から左へ 8.0 m の所を、右向きに 2.0 m/s で通り過ぎ、そのままの速度で進みます。(1) 3.0 s 後の自転車の位置を求めなさい。(2) 自転車が原点を通り過ぎるのは何秒後ですか。

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(1) −2.0 m(原点から左へ 2.0 m の所) (2) 4.0 s 後

時刻 0 の位置は原点の左なので x0 = −8.0 m、速度は v = +2.0 m/s。位置は x = x0 + vt = −8.0 + 2.0t。(1) x = −8.0 + 2.0 × 3.0 = −8.0 + 6.0 = −2.0 m。マイナスなので、まだ原点の左にいる。(2) 原点を通るのは x = 0 のときなので、0 = −8.0 + 2.0t。2.0t = 8.0 から t = 8.0 ÷ 2.0 = 4.0 s

問4右を正の向きとします。自転車が、時刻 0 に原点から右へ 5.0 m の所を、右向きに 6.0 m/s で通り過ぎました。同じ時刻にブレーキをかけ、加速度 −1.5 m/s² で遅くなって止まりました。自転車が止まったのは何秒後ですか。また、止まった位置は原点からどちら向きに何 m の所ですか。

答えを見る

4.0 s 後、原点から右向きに 17 m の所(+17 m)

x0 = +5.0 m、v0 = +6.0 m/s、a = −1.5 m/s²。止まるので v = 0。v = v0 + at から 0 = 6.0 + (−1.5) × t、1.5t = 6.0、t = 6.0 ÷ 1.5 = 4.0 s。止まった位置は x = x0 + v0t + 12at2 = 5.0 + 6.0 × 4.0 + 12 × (−1.5) × 4.02 = 5.0 + 24 − 12 = 17 m。(確かめ: ブレーキの間の変位は、時間を使わない式 v2 − v02 = 2ax から 02 − 6.02 = 2 × (−1.5) × x、x = (−36) ÷ (−3.0) = 12 m。出発した位置 5.0 m に足すと 17 m で同じ)。12 m を止まった位置と答えないこと(12 m は進んだ分で、出発した位置 5.0 m を足す)

つまずきやすいところ

まとめ

要点

位置(速度が一定)x = x0 + vt
位置(加速度が一定)x = x0 + v0t + 12at2
速度の式v = v0 + at
追いつくとき2人の位置が等しい

x0 は時刻 0 の位置。2・3行目は等加速度直線運動(加速度が一定)のとき

物理基礎 第1章 運動の表し方

  1. 速さと速度・等速直線運動
  2. x-t グラフと v-t グラフ
  3. 速度の合成と相対速度(直線上)
  4. 等加速度直線運動
  5. 等加速度直線運動(2)
  6. 等速直線運動と等加速度直線運動の応用
  7. 等速直線運動と等加速度直線運動の応用(2)
  8. 自由落下運動
  9. 鉛直投射(投げ下ろし・投げ上げ)
  10. 鉛直投射(2)

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