ゼロからの高校物理 / 力学 / 運動の表し方

等速直線運動と等加速度直線運動の練習問題

このページは「等加速度直線運動(2)」までの続きです。x = vt、v = v0 + at、x = v0t + 12at2、v2 − v02 = 2ax と、v-t グラフの面積 = 変位を使います。

公式

等速直線運動x = vt
速度の式v = v0 + at
位置の式x = v0t + 12at2
時間を使わない式v2 − v02 = 2ax
v-t グラフの面積 = 変位

1行目は速度が一定のとき、2〜4行目は等加速度直線運動(加速度が一定)のとき

1解き方の手順

正の向きを決め、分かっている量を書き出してから、式を選びます。

前の2ページの問題は、1つの式で解けるものが中心でした。このページでは、式を2つ続けて使う問題や、運動が途中で変わる問題を解きます。どの問題も、次の4つの手順で解きます。

  1. 正の向きと原点を決めて、書いておきます。ふつうは、物体が進む向きを正の向きにします。原点は、調べ始める場所(動き出した所、ブレーキをかけ始めた所など)にし、そのときを時刻 0 とします。
  2. 分かっている量を書き出します。v0、v、a、t、x の5つを横に並べ、分かっている量には値を、求める量には「?」を書きます。
  3. 式を選びます。分かってもいない、聞かれてもいない量を探し、その量が入っていない式を選びます(「等加速度直線運動(2)」のページの項目2)。
  4. 答えの符号の意味を、言葉で言います。たとえば速度が + で加速度が − なら、「正の向きに進みながら遅くなった」のように言います。

「止まった」「止まるまで」と書いてあれば、止まったときの速度は v = 0 です。数字で書かれていなくても、分かっている量です。正の向きと逆向きの速度や加速度には、マイナスを付けて書きます。

手順3では、前のページの表をもう一度使います。

式入っていない量
v = v0 + atx
x = v0t + 12at2v
v2 − v02 = 2axt

速度が一定のとき(加速度が 0 のとき)は、等速直線運動の x = vt を使います。

上の表の3つの式には、どれも加速度 a が入っています。そのため、a が分かってもいないし、聞かれてもいない問題では、表から式を1つに決められません。そのときは、先に a を求めます。それから、a を使って、聞かれている量を求めます。このように、1つの式で求まらないときは、先に別の量を求めてから、次の式を使います。

確認

進む向きを正の向きとしたとき、ブレーキをかけて遅くなっている物体の加速度の符号は、+ と − のどちらですか。

答え

− です。速度は + のままですが、速度の値が減っていくので、加速度は − になります。

例題

右向きに 10 m/s で走る自転車がブレーキをかけ、一定の加速度で遅くなって、25 m 進んで止まりました。ブレーキをかけてから止まるまでの時間を求めなさい。

  1. 右(進む向き)を正の向きとし、ブレーキをかけ始めた所を原点、そのときを時刻 0 とします。
  2. 分かっている量を書き出します(下の表)。止まったので、v = 0 です。
    v0vatx
    +10 m/s0分からない?+25 m
  3. 分かってもいない、聞かれてもいない量は a です。しかし、3つの式はどれも a を含むので、1つの式では t が求まりません。
  4. そこで、先に a を求めます。t が入っていない v2 − v02 = 2ax を使います。
  5. 02 − 102 = 2 × a × 25 なので、−100 = 50a です。
  6. a = (−100) ÷ 50 = −2.0 m/s² です。
  7. 次に、求めた a を v = v0 + at に入れます。0 = 10 + (−2.0) × t です。
  8. 2.0 × t = 10 なので、t = 10 ÷ 2.0 = 5.0 s です。
  9. a が − なのは、右へ進みながら遅くなったからです。

答え: 5.0 s

2区間に分ける(加速 → 等速 → 減速)

運動が途中で変わるときは、区間に分け、区間ごとの変位を足します。

電車が駅を出て、次の駅で止まるまでを考えます。電車が進む向きを正の向き、出発した駅を原点、駅を出た時刻を 0 とします。電車は、0 〜 10 s で速くなって 20 m/s になります。10 〜 30 s は、20 m/s のまま走ります。30 〜 40 s で遅くなって、次の駅に止まります。

この運動の v-t グラフは、下の図のような台形になります。グラフは (0, 0) → (10 s, 20 m/s) → (30 s, 20 m/s) → (40 s, 0) の折れ線です。たとえば点(10 s, 20 m/s)は、「10 s 後に、正の向きに 20 m/s で進んでいる」という意味です。グラフの線は、電車が通った道ではありません。電車は、まっすぐな線路を進んでいるだけです。

この電車は、10 s と 30 s で、速度の変わり方が変わります。加速度が一定なのは、0 〜 10 s、10 〜 30 s、30 〜 40 s のそれぞれの区間の中だけです。だから、0 〜 40 s の全体に、1本の式を使うことはできません。たとえば、0 〜 10 s の加速度 +2.0 m/s² のまま 40 s 後の速度を v = v0 + at で求めると、v = 0 + 2.0 × 40 = 80 m/s になってしまいます。実際の 40 s 後の速度は 0 です。そこで、運動を3つの区間に分けて考えます。

区間ごとに、加速度 a = Δv / Δt を求めます。

区間速度の変化 Δvかかった時間 Δt加速度 a
加速(0 〜 10 s)0 → 20 m/s で +20 m/s10 s+2.0 m/s²
等速(10 〜 30 s)20 → 20 m/s で 020 s0
減速(30 〜 40 s)20 → 0 で −20 m/s10 s−2.0 m/s²

10 s のときの 20 m/s は、加速の区間の終わりの速度で、等速の区間の始まりの速度でもあります。区間の境目で、速度はつながっています。

v-t グラフの面積は変位でした。区間ごとに、面積を求めます。加速の区間は、底辺 10 s、高さ 20 m/s の三角形で、面積は 12 × 10 × 20 = 100 です。変位は +100 m です。等速の区間は、横 20 s、高さ 20 m/s の長方形で、面積は 20 × 20 = 400 です。変位は +400 m です。減速の区間は、底辺 10 s、高さ 20 m/s の三角形で、面積は 12 × 10 × 20 = 100 です。変位は +100 m です。

加速の区間は、止まっていた電車が、加速度 +2.0 m/s² で 10 s 進む運動です。位置の式で求めると、x = v0t + 12at2 = 0 × 10 + 12 × 2.0 × 102 = 100 m で、面積と同じです。

3つの区間の変位を足すと、100 + 400 + 100 = 600 m です。電車はずっと正の向きに進んだので、駅から駅までの距離は 600 m です。

電車の v-t グラフ。速度の折れ線は (0, 0) から (10 s, 20 m/s)、(30 s, 20 m/s)、(40 s, 0) へ進む台形。10 s と 30 s に区間の境目の点線があり、上の端に「加速」「等速」「減速」と書いている。0 から時刻 t までの、折れ線と横軸の間を塗っている v [m/s] t [s] v 加速 等速 減速

塗った部分の面積が、0 〜 t の変位です。グラフの線は、電車が通った道ではありません。

速度 v = m/s() 変位 = 加速 + 等速 + 減速 = m

やってみよう

時刻 t を 30.0 s にしてから、35.0 s へ、次に 40.0 s へ動かしてください。同じ 5 s でも、変位の増え方は同じですか。それぞれ何 m 増えますか。

分かること

30.0 s から 35.0 s では 75.0 m、35.0 s から 40.0 s では 25.0 m 増えます。遅くなるほど、同じ 5 s で塗られる面積が小さくなります。

確認

電車が等速で走っている区間(10 〜 30 s)の加速度は、いくつですか。

答え

0 m/s² です。速度が 20 m/s のまま変わらないからです。

例題

止まっていた自転車が、一定の加速度で速くなり、5.0 s で 8.0 m/s になりました。その速さのまま 6.0 s 進み、そのあと一定の加速度で遅くなって、4.0 s で止まりました。動き出してから止まるまでに進んだ距離を求めなさい。

  1. 自転車が進む向きを正の向き、動き出した所を原点とし、動き出した時刻を 0 とします。
  2. 運動が途中で2回変わるので、加速・等速・減速の3つの区間に分けます。
  3. 等速の区間は 5.0 s に始まり、6.0 s 間続くので、11 s で終わります。
  4. 減速の区間は 11 s に始まり、4.0 s 間続くので、15 s で終わります。
  5. v-t グラフは、(0, 0) → (5.0 s, 8.0 m/s) → (11 s, 8.0 m/s) → (15 s, 0) の台形です。
  6. 加速の区間は、底辺 5.0 s、高さ 8.0 m/s の三角形で、面積は 12 × 5.0 × 8.0 = 20 です。
  7. 等速の区間は、横 6.0 s、高さ 8.0 m/s の長方形で、面積は 6.0 × 8.0 = 48 です。
  8. 減速の区間は、底辺 4.0 s、高さ 8.0 m/s の三角形で、面積は 12 × 4.0 × 8.0 = 16 です。
  9. 合わせて、20 + 48 + 16 = 84 m です。自転車はずっと正の向きに進んだので、これが進んだ距離です。

答え: 84 m

3停止距離(空走距離 + 制動距離)

自動車の停止距離は、等速で進む空走距離と、等加速度で遅くなる制動距離の2つの区間に分けて求めます。

自動車を運転する人が、前に何かを見つけて、ブレーキの必要に気づいたとします。気づいた所から、自動車が止まるまでに進む距離を停止距離といいます。停止距離は、次の2つの区間に分けて考えます。

運転する人が気づいてから、ブレーキを踏み、ブレーキが効き始めるまでには、少し時間がかかります。この時間を反応時間といいます。この項目では、反応時間を 1.0 s とします。

反応時間の間は、ブレーキがまだ効いていません。だから自動車は、気づいたときと同じ速度のまま進みます。等速直線運動です。反応時間の間に進む距離を空走距離といいます。等速なので、x = vt で求めます。たとえば 10 m/s で走っているなら、空走距離は 10 × 1.0 = 10 m です。

ブレーキが効き始めてから、自動車が止まるまでに進む距離を制動距離といいます。この間、自動車は一定の加速度で遅くなります。等加速度直線運動です。この項目では、ブレーキが効いている間の加速度を −5.0 m/s² とします(進む向きが正)。

制動距離を式で求めるときは、ブレーキが効き始めた所を原点、そのときを時刻 0 にし直します。v0 は、ブレーキが効き始めたときの速度です。空走の間は速度が変わらないので、気づいたときの速度と同じです。

止まるので、v = 0 です。時間は分かっておらず、聞かれてもいないので、t が入っていない v2 − v02 = 2ax を使います。10 m/s のときは、02 − 102 = 2 × (−5.0) × x なので、−100 = −10x です。x = (−100) ÷ (−10) = 10 m で、制動距離は 10 m です。

停止距離は、空走距離と制動距離の和です。10 m/s のときは、10 + 10 = 20 m です。

気づいたときの速度を 10、20、30 m/s と変えて、同じように求めると、次の表のようになります。

気づいたときの速度 v0(m/s)102030
空走距離(m)102030
制動距離(m)104090
停止距離(m)2060120

速度が 10 m/s から 20 m/s へ 2 倍になると、空走距離は 10 m から 20 m へ 2 倍になります。空走距離は v0 × 1.0 なので、速度と同じ倍率で増えます。

制動距離は、10 m から 40 m へ 4 倍になります。制動距離は、0 − v02 = 2 × (−5.0) × x から、x = v02 ÷ 10 です。v0 が 2 倍になると、v02 は 2 × 2 = 4 倍になるので、制動距離も 4 倍になります。速度が 3 倍の 30 m/s なら、制動距離は 3 × 3 = 9 倍の 90 m です。

横向きのまっすぐな道路と、その下の物差し(0 から 120 m)。目盛りの 0 が気づいた所で、右が進む向き(正の向き)。道路の上に、空走距離の帯(薄い塗り)と、続けて制動距離の帯(斜線)を並べている。帯の境目がブレーキが効き始めた所、帯の右端が止まった所で、そこに自動車がある。反応時間 1.0 s、ブレーキ中の加速度 −5.0 m/s² は固定 反応時間 1.0 s、ブレーキ中の加速度 −5.0 m/s²(固定) 進む向き(正の向き) 空走距離(等速) 制動距離(遅くなる) 止まった所 ブレーキが効き始めた所 気づいた所

反応時間は 1.0 s、ブレーキが効いている間の加速度は −5.0 m/s² に固定しています。

停止距離 = 空走 + 制動 = m

やってみよう

気づいたときの速度 v0 を +15.0 m/s にしてから、+30.0 m/s へ変えてください。空走距離と制動距離は、それぞれ何倍になりましたか。

分かること

空走距離は 15.0 m から 30.0 m で 2 倍、制動距離は 22.5 m から 90.0 m で 4 倍になりました。

確認

運転する人がブレーキの必要に気づいてから、ブレーキが効き始めるまでの間、自動車の速度は変わりますか。

答え

変わりません。ブレーキがまだ効いていないからです。

例題

自動車が 72 km/h で走っているときに、運転する人がブレーキの必要に気づきました。反応時間は 1.0 s、ブレーキが効いている間の加速度は −5.0 m/s²(進む向きが正)です。停止距離を求めなさい。

  1. 式には m/s で入れるので、速度を m/s に直します。72 km/h = 72 ÷ 3.6 m/s = 20 m/s です。
  2. 空走距離は、等速なので x = vt で、20 × 1.0 = 20 m です。
  3. 制動距離は、ブレーキが効き始めた所を原点にして求めます。v0 = +20 m/s、v = 0、a = −5.0 m/s² です。
  4. 時間は分かっておらず、聞かれてもいないので、v2 − v02 = 2ax を使います。
  5. 02 − 202 = 2 × (−5.0) × x なので、−400 = −10x です。
  6. x = (−400) ÷ (−10) = 40 m で、制動距離は 40 m です。
  7. 停止距離は、20 + 40 = 60 m です。

答え: 60 m

4追いつき

後ろの人が前の人に追いつくのは、2人の位置が等しくなるときです。

あなたと友だちが、まっすぐな道を自転車で右へ進みます。進む向き(右)を正の向きとし、時刻 0 に2人が並んでいた所を原点とします。時刻 0 に、あなたは原点で止まっていて、そこから加速度 +2.0 m/s² でこぎ出します。友だちは、時刻 0 に原点を +4.0 m/s で通り過ぎ、そのままの速度で進みます。「等加速度直線運動」のページの項目1の動画と同じ場面です。

友だちは等速なので、位置は x = vt = 4.0t です。あなたは止まった所から速くなるので、位置は x = v0t + 12at2 = 12 × 2.0 × t2 = 1.0t2 です。1 秒ごとの2人の位置と、2人の間の距離は、次の表のようになります。

時刻 t(s)01.02.03.04.0
友だちの位置(m)0+4.0+8.0+12+16
あなたの位置(m)0+1.0+4.0+9.0+16
2人の間の距離(m)03.04.03.00

表の位置を、x-t グラフに点として打ちます。友だちの点は1本の直線に、あなたの点は谷のように曲がる線に並びます。たとえば友だちの線の点(1.0 s, +4.0 m)は、「1.0 s 後に、友だちは原点から右へ 4.0 m の所にいる」という意味です。2本の線は、2人が通った道ではありません。2人は、同じ1本のまっすぐな道を進んでいます。

表の 4.0 s を見ると、2人とも +16 m の所にいます。同じ時刻に同じ場所にいるので、ここであなたが友だちに追いつきます。x-t グラフでは、2本の線が交わる点(4.0 s, +16 m)が、追いつく時刻と場所です。

追いつく時刻は、「友だちの位置 = あなたの位置」として求めます。4.0t = 1.0t2 です。左辺を右辺へ移すと、t2 − 4.0t = 0 です。t でくくると、t × (t − 4.0) = 0 なので、t = 0 か t = 4.0 s です。

t = 0 は、出発の瞬間です。2人とも原点にいますが、これは追いついたのではなく、並んで出発しただけです。だから、追いつくのは t = 4.0 s です。その場所は、x = 4.0 × 4.0 = 16 m、原点から右へ 16 m の所です。4.0t = 1.0t2 の両辺を t で割ると、t = 4.0 だけが出てきて、t = 0 が見えなくなります。t でくくる形にすれば、t = 0 と t = 4.0 s の2つが出てきます。

表の「2人の間の距離」は、0、3.0、4.0、3.0、0 m と、2.0 s でいちばん大きくなります。2人の速度を、1 秒ごとに並べます。あなたの速度は v = v0 + at = 2.0t です。

時刻 t(s)01.02.03.04.0
友だちの速度(m/s)+4.0+4.0+4.0+4.0+4.0
あなたの速度(m/s)0+2.0+4.0+6.0+8.0

2.0 s までは、前にいる友だちのほうが速いので、2人の間は開いていきます。2.0 s を過ぎると、後ろのあなたのほうが速くなるので、2人の間は縮んでいきます。だから、この場面で2人の間がいちばん開くのは、2人の速度が等しくなる 2.0 s のときで、間の距離は 8.0 − 4.0 = 4.0 m です。

2人の速度が等しくなる 2.0 s は、間がいちばん開く時刻で、追いつく時刻ではありません。追いつく 4.0 s では、あなたの速度は +8.0 m/s、友だちの速度は +4.0 m/s で、等しくありません。

あなたと友だちの x-t グラフ。友だちの線は x = 4.0t の直線(太い実線)、あなたの線は x = 1.0t² の曲線(細い破線)で、どちらも 0 から 5.0 s まで描いている。名前は線の右端と、交わる点より左の2本が離れている所に付けている。2本の線は (4.0 s, +16 m) で交わる。時刻 t の縦の線と2本の線が交わる所に点があり、2つの点を結ぶ縦の線が2人の間の距離を表す x [m] t [s] 友だち あなた 友だち あなた 間の距離

グラフの線は、2人が通った道ではありません。2人は同じまっすぐな道を進んでいます。

間の距離 m() 友だちの速度 m/s あなたの速度 m/s

やってみよう

時刻 t を 4.0 s にしてから、5.0 s まで 1 目盛り(0.5 s)ずつ動かしてください。前にいるのはどちらですか。2人の間は開いていきますか、縮んでいきますか。

分かること

4.5 s で 2.3 m、5.0 s で 5.0 m(どちらも「あなたが前」)と、間は開いていきます。あなたの速度(+9.0、+10.0 m/s)のほうが、友だちの速度(+4.0 m/s)より大きいからです。

確認

あなたが友だちに追いつく瞬間、2人の速度は同じですか。

答え

いいえ。追いつく 4.0 s では、あなたは +8.0 m/s、友だちは +4.0 m/s です。

例題

友だちは自転車で、原点を右向きに 3.0 m/s で通り過ぎ、そのまま同じ速度で進みます。同じ時刻に、あなたは原点で止まっていた自転車で、右向きに加速度 +2.0 m/s² でこぎ出します。あなたが友だちに追いつくのは何秒後ですか。また、それは原点からどちら向きに何 m の所ですか。

  1. 右を正の向きとします。原点は、2人が並んでいた所です。こぎ出した時刻を 0 とします。
  2. 友だちの位置は、x = 3.0t です。
  3. あなたの位置は、x = 12 × 2.0 × t2 = 1.0t2 です。
  4. 追いつくのは2人の位置が等しいときなので、3.0t = 1.0t2 です。
  5. t2 − 3.0t = 0 なので、t × (t − 3.0) = 0 で、t = 0 か t = 3.0 s です。
  6. t = 0 は出発の瞬間なので、追いつくのは 3.0 s 後です。
  7. その場所は、x = 3.0 × 3.0 = 9.0 m です。

答え: 3.0 s 後、原点から右向きに 9.0 m の所(+9.0 m)

練習問題

どの問題も一直線上の運動で、物体が進む向きを正の向きとします。加速度は、運動が変わらない区間の中では一定とします。

パターン1 区間に分ける運動

問1電車が一直線上を動いたときの v-t グラフは、図のような折れ線でした。(1) 0 〜 4.0 s、4.0 〜 10 s、10 〜 12 s の、それぞれの加速度を求めなさい。(2) 0 〜 12 s の変位を求めなさい。

v-t グラフ。横軸 t は 0 から 12 s、縦軸 v は 0 から 10 m/s で、1.0 ごとに方眼。(0, 0) から (4.0, 8.0)、(10, 8.0)、(12, 0) へ進む折れ線 v [m/s] t [s]
答えを見る

(1) 0 〜 4.0 s は +2.0 m/s²、4.0 〜 10 s は 0 m/s²、10 〜 12 s は −4.0 m/s² (2) +72 m

(1) 0 〜 4.0 s は a = (8.0 − 0) ÷ 4.0 = 2.0 m/s²。4.0 〜 10 s は速度が変わらないので 0 m/s²。10 〜 12 s は a = (0 − 8.0) ÷ 2.0 = −4.0 m/s²。(2) 区間ごとの面積は、三角形 12 × 4.0 × 8.0 = 16、長方形 6.0 × 8.0 = 48、三角形 12 × 2.0 × 8.0 = 8.0。合わせて 16 + 48 + 8.0 = 72 なので、変位は +72 m

問2止まっていた自転車が、加速度 +1.5 m/s² で 4.0 s 速くなりました。そのあと、その速さのまま 10 s 進み、最後に一定の加速度で遅くなって、3.0 s で止まりました。自転車が動き出してから止まるまでに進んだ距離を求めなさい。

答えを見る

81 m

加速の区間の終わりの速度は、v = v0 + at = 0 + 1.5 × 4.0 = 6.0 m/s。これが等速の区間の速度で、減速の区間の始まりの速度でもある。v-t グラフは (0, 0) → (4.0 s, 6.0 m/s) → (14 s, 6.0 m/s) → (17 s, 0) の台形。加速の区間は 12 × 4.0 × 6.0 = 12、等速の区間は 10 × 6.0 = 60、減速の区間は 12 × 3.0 × 6.0 = 9.0。合わせて 12 + 60 + 9.0 = 81 なので、81 m。区間の境目の速度(6.0 m/s)を先に求めるのがポイント

パターン2 停止距離

問3自動車が 90 km/h で走っているときに、運転する人がブレーキの必要に気づきました。反応時間は 1.0 s、ブレーキが効いている間の加速度は −5.0 m/s² です。空走距離、制動距離、停止距離をそれぞれ求めなさい。

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空走距離 25 m、制動距離 63 m、停止距離 88 m

90 km/h = 90 ÷ 3.6 m/s = 25 m/s。空走距離は x = vt で 25 × 1.0 = 25 m。制動距離は、ブレーキが効き始めた所を原点にして、v2 − v02 = 2ax に v = 0、v0 = 25 m/s、a = −5.0 m/s² を入れる。02 − 252 = 2 × (−5.0) × x なので、−625 = −10x、x = (−625) ÷ (−10) = 62.5 ≒ 63 m。停止距離は 25 + 62.5 = 87.5 ≒ 88 m(途中の 62.5 は丸めずに足し、最後に丸める)

図では、気づいたときの速度を +25.0 m/s にすると、「+25.0 m/s(90.0 km/h)」「停止距離 = 空走 25.0 + 制動 62.5 = 87.5 m」と表示されます。

問4自動車が 54 km/h で走っているときに、運転する人がブレーキの必要に気づきました。反応時間は 0.80 s で、気づいてから止まるまでに 27 m 進みました。ブレーキが効いている間の加速度を求めなさい。加速度は一定とします。

答えを見る

−7.5 m/s²

54 km/h = 54 ÷ 3.6 m/s = 15 m/s。空走距離は 15 × 0.80 = 12 m。27 m は停止距離なので、制動距離は 27 − 12 = 15 m。ブレーキが効き始めた所を原点にして、v2 − v02 = 2ax に v = 0、v0 = 15 m/s、x = 15 m を入れる。02 − 152 = 2 × a × 15 なので、−225 = 30a、a = (−225) ÷ 30 = −7.5 m/s²。27 m をそのまま制動距離として使わないこと。マイナスなので、進みながら遅くなった

パターン3 追いつき

問5友だちは自転車で、原点を右向きに 5.0 m/s で通り過ぎ、そのまま同じ速度で進みます。同じ時刻に、あなたは原点で止まっていた自転車で、右向きに加速度 +2.0 m/s² でこぎ出します。あなたが友だちに追いつくのは何秒後ですか。また、それは原点から右へ何 m の所ですか。

答えを見る

5.0 s 後、原点から右へ 25 m の所(+25 m)

右を正の向きとする。友だちの位置は x = 5.0t、あなたの位置は x = 12 × 2.0 × t2 = 1.0t2。追いつくのは位置が等しいときなので、5.0t = 1.0t2。t2 − 5.0t = 0 から t × (t − 5.0) = 0 で、t = 0 か t = 5.0 s。t = 0 は出発の瞬間なので、追いつくのは 5.0 s 後。場所は x = 5.0 × 5.0 = 25 m

問6友だちは自転車で、原点を右向きに 6.0 m/s で通り過ぎ、そのまま同じ速度で進みます。同じ時刻に、あなたは原点で止まっていた自転車で、右向きに加速度 +1.5 m/s² でこぎ出します。あなたが友だちに追いつくまでの間で、2人の間がいちばん開くのは何秒後ですか。また、そのときの2人の間の距離を求めなさい。

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4.0 s 後、12 m

前にいる友だちのほうが速い間は、2人の間が開いていく。間がいちばん開くのは、2人の速度が等しくなるとき。あなたの速度は v = 1.5t なので、1.5t = 6.0 から t = 6.0 ÷ 1.5 = 4.0 s。そのときの友だちの位置は 6.0 × 4.0 = 24 m、あなたの位置は 12 × 1.5 × 4.02 = 12 m。間の距離は 24 − 12 = 12 m。(参考: 追いつくのは 6.0t = 0.75t2 から t = 8.0 s。速度が等しくなる 4.0 s と取り違えないこと)

パターン4 式を2つ続けて使う

問7右向きに 4.0 m/s で進んでいた自転車が、一定の加速度で速くなり、6.0 s 後に速度が +10 m/s になりました。この 6.0 s の間に進んだ距離を求めなさい。

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42 m

速くなり始めた所を原点とする。分かっている量は v0 = +4.0 m/s、v = +10 m/s、t = 6.0 s、求める量は x。分かってもいない、聞かれてもいない量は a だが、3つの式はどれも a を含むので、先に a を求める。v = v0 + at から 10 = 4.0 + a × 6.0、a = (10 − 4.0) ÷ 6.0 = 1.0 m/s²。次に x = v0t + 12at2 = 4.0 × 6.0 + 12 × 1.0 × 6.02 = 24 + 18 = 42 m。右へ進み続けたので、進んだ距離は 42 m

問8右向きに進んでいた自転車がブレーキをかけ、一定の加速度で遅くなって、2.0 s で止まりました。ブレーキをかけてから止まるまでに、9.0 m 進みました。ブレーキをかける前の速さと、ブレーキ中の加速度を求めなさい。(ヒント: v-t グラフをかいて考えましょう。)

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速さ 9.0 m/s、加速度 −4.5 m/s²

ブレーキをかけた所を原点とする。分かっている量は v = 0、t = 2.0 s、x = +9.0 m。v0 と a の2つが分からないので、3つの式のどれも、1つだけでは解けない。そこで v-t グラフを使う。v-t グラフは、v0 から 2.0 s で 0 まで下がる直線で、横軸との間は底辺 2.0 s、高さ v0 の三角形。面積が変位なので、12 × 2.0 × v0 = 9.0、v0 = 9.0 m/s。次に v = v0 + at に入れて 0 = 9.0 + a × 2.0、a = (−9.0) ÷ 2.0 = −4.5 m/s²。(確かめ: x = 9.0 × 2.0 + 12 × (−4.5) × 2.02 = 18 − 9.0 = 9.0 m で合う)

つまずきやすいところ

まとめ

公式

等速直線運動x = vt
速度の式v = v0 + at
位置の式x = v0t + 12at2
時間を使わない式v2 − v02 = 2ax
v-t グラフの面積 = 変位

1行目は速度が一定のとき、2〜4行目は等加速度直線運動(加速度が一定)のとき