公式
動いている物体がもつエネルギーを運動エネルギーといい、K = 12mv2 で求めます。
転がってきたボールがピンに当たると、ピンを押し動かします。力を加えて物体を動かすことを、物理では「仕事をする」といいます。物体を力 F で、力の向きに距離 x 動かしたときの仕事は W = Fx(力の大きさ × 力の向きに動いた距離)です。動いているボールは、ピンに仕事ができます。止まっているボールは、ピンに当たらないので、仕事ができません。
ほかの物体に仕事をする能力を、エネルギーといいます。エネルギーの大きさは、その物体がほかの物体にできる仕事の大きさで表します。単位は仕事と同じ J(ジュール)です。
動いている物体がもつエネルギーを、運動エネルギーといいます。運動エネルギーの記号は K(ケー)です。
運動エネルギーの大きさを、実際に求めてみます。質量 1.0 kg の台車が、速さ 4.0 m/s で右へ進んでいます。台車の先には、壁に貼り付けた厚い粘土があります。台車は粘土に突っ込み、粘土を押しつぶしながら進んで、やがて止まります。台車が粘土を押す力は、一定の 20 N とします。台車が止まるまでにどれだけ進むかが分かれば、台車が粘土にした仕事 W = Fx が分かります。
動きはゆっくりにして見せています。
右向きを正の向きとし、粘土に当たった所を原点にします。台車が粘土を右へ 20 N で押すとき、粘土は台車を左へ 20 N で押し返します(作用・反作用)。運動方程式 ma = F(質量 × 加速度 = 受ける力)を台車について書くと、1.0 × a = −20 です。加速度(1 秒あたりの速度の変化)は a = −20 m/s² です。加速度が負なので、台車の速度は 1 秒あたり 20 m/s の割合で左向きに変わり、右へ進む台車は遅くなります。
加速度が一定の運動では、時間を使わない式 v2 − v02 = 2ax が成り立ちます。v0(ブイゼロ)ははじめの速さ、v は後の速さ、x は進んだ距離です。小さな 0 は「はじめ」の印です。この台車では、はじめの速さ v0 = 4.0 m/s、止まったときの速さ v = 0 です。0 − 4.02 = 2 × (−20) × x なので、x = 16 ÷ 40 = 0.40 m です。台車が粘土にした仕事は、W = 20 × 0.40 = 8.0 J です。
もっと硬い粘土に替えて、台車が粘土を押す力を 40 N、80 N にしても、同じように計算できます。
| 台車が粘土を押す力 [N] | 20 | 40 | 80 |
|---|---|---|---|
| 加速度 [m/s²] | −20 | −40 | −80 |
| 止まるまでに進む距離 [m] | 0.40 | 0.20 | 0.10 |
| 台車が粘土にした仕事 [J] | 8.0 | 8.0 | 8.0 |
力が大きいほど短い距離で止まりますが、仕事はどれも 8.0 J です。この 8.0 J が、質量 1.0 kg、速さ 4.0 m/s の台車がもつ運動エネルギーです。
質量 m、速さ v の台車が、一定の力 F で粘土を押して止まるとします。運動方程式 ma = −F から、a = −F ÷ m です。v2 − v02 = 2ax の v0(はじめの速さ)に台車の速さ v を、v(後の速さ)に止まったときの 0 を入れると、0 − v2 = 2 × (−F ÷ m) × x です。両辺に −m ÷ 2 を掛けると、Fx = 12mv2 になります。Fx は、台車が粘土にした仕事です。だから、運動エネルギーは次の式で求めます。
確かめると、12 × 1.0 × 4.02 = 8.0 J で、表の 8.0 J と同じです。
質量 1.0 kg の台車が速さ 2.0 m/s のとき、K = 12 × 1.0 × 2.02 = 2.0 J です。速さ 4.0 m/s のときの 8.0 J は、その4倍です。速さが2倍になると、運動エネルギーは 2 × 2 = 4 倍になります。質量 2.0 kg の台車が速さ 4.0 m/s のとき、K = 12 × 2.0 × 4.02 = 16 J です。質量 1.0 kg のときの 8.0 J の2倍です。質量が2倍になると、運動エネルギーは2倍になります。
紫の矢印は台車の速度、紫の棒は台車の運動エネルギーです。
やってみよう
質量は「1.0 kg」のボタンのままにして、速さ v を 1.0 m/s にしてください。次に、v を 3.0 m/s に変えてください。運動エネルギー K は、いくつからいくつになりましたか。何倍になりましたか。
K は 0.5 J から 4.5 J になり、9倍になりました。
確認
床の上に止まっている台車の運動エネルギーはいくつですか。
0 J です。速さ v = 0 なので、12mv2 = 0 です。
例題
質量 2.0 kg の物体が、速さ 3.0 m/s で動いています。この物体の運動エネルギーを求めなさい。
答え: 9.0 J
物体の運動エネルギーは、物体がされた仕事の分だけ変わります。
項目1 では、動いている台車が粘土に仕事をして、台車は止まりました。台車は、運動エネルギーの分だけ仕事をして、運動エネルギーを失いました。今度は逆に、物体が仕事をされる場合を考えます。
なめらかな床の上を、質量 1.0 kg の台車が、右へ速さ 2.0 m/s で動いています。あなたが、台車を右へ一定の力 3.0 N で押しながら、1.0 m 進ませます。このとき、あなたの押す力が台車にした仕事は、W = 3.0 × 1.0 = 3.0 J です。
薄い絵が押し始め、濃い絵が 1.0 m 押した所です。
台車の運動方程式は 1.0 × a = 3.0 なので、加速度は a = 3.0 m/s² です。v2 − v02 = 2ax に、v0 = 2.0 m/s、a = 3.0 m/s²、x = 1.0 m を入れます。v2 = 2.02 + 2 × 3.0 × 1.0 = 4.0 + 6.0 = 10 です。押した後の速さは、v = √10 ≒ 3.2 m/s です。√10 は、2乗すると 10 になる正の数です。
押す前の運動エネルギーは、12 × 1.0 × 2.02 = 2.0 J です。押した後の運動エネルギーは、12 × 1.0 × v2 = 12 × 1.0 × 10 = 5.0 J です。運動エネルギーは、5.0 − 2.0 = 3.0 J 増えました。押す力がした仕事 3.0 J と同じです。
質量 m の物体に、動く向きに一定の力 F を加えて、距離 x 進ませるとします。運動方程式から a = F ÷ m です。v2 − v02 = 2ax に入れると、v2 − v02 = 2 × (F ÷ m) × x です。両辺に m ÷ 2 を掛けると、12mv2 − 12mv02 = Fx です。v0 ははじめの速さ、v は仕事をされた後の速さです。右辺の Fx は、物体がされた仕事 W です。
物体にいくつかの力がはたらくときは、どの力がした仕事も、全部足して W に入れます。上の台車には、押す力のほかに、重力と床からの垂直抗力もはたらいています。力の向きと動く向きが垂直な力の仕事は 0 です。重力と垂直抗力は、水平に動く台車に仕事をしません。だから、W は押す力の仕事 3.0 J だけです。
動く向きと逆向きの力がする仕事は、負です。W が負なら、左辺の「後 − はじめ」も負になり、運動エネルギーは減ります。たとえば、あらい床をすべる物体にはたらく動摩擦力は、動く向きと逆向きなので、した仕事は負です。物体は、動摩擦力にされた負の仕事の分だけ運動エネルギーを失い、やがて止まります。
破線の台車がはじめ、実線の台車が 1.0 m 押した後です。押す力 F は、はじめの台車の上に描いています。1.0 m 進む間、同じ力で押し続けます。押す力 F は、右向き(台車が動く向き)を正にしています。紫の棒は運動エネルギーです。
やってみよう
押す力 F を +2.0 N にしてください。次に、F を −1.0 N に変えてください。それぞれのとき、押す力がした仕事 W はいくつで、後の運動エネルギー K は、はじめの 2.0 J から増えましたか、減りましたか。
F = +2.0 N のとき、W = +2.0 J で、K は 2.0 J から 4.0 J に増えました。F = −1.0 N のとき、W = −1.0 J で、K は 2.0 J から 1.0 J に減りました。
確認
なめらかな水平の床の上を動く台車に、重力と垂直抗力だけがはたらいています。台車の速さは変わりますか。
変わりません。どちらの力も動く向きと垂直で仕事が 0 なので、W = 0 で運動エネルギーが変わらないからです。
例題
なめらかな水平の床の上を、質量 2.0 kg の物体が速さ 4.0 m/s で動いています。この物体に、動く向きに一定の力 6.0 N を加えながら、3.0 m 進ませました。進ませた後の物体の速さを求めなさい。
答え: 約 5.8 m/s
高い所にある物体がもつエネルギーを、重力による位置エネルギーといい、U = mgh で求めます。h は、自分で決めた基準面からの高さです。
高い所から重いおもりを落とすと、地面にくいを打ち込むことができます。高い所にある物体は、落ちることで、ほかの物体に仕事ができます。高い所にある物体は、それだけでエネルギーをもっています。物体の位置で決まるエネルギーを、位置エネルギーといいます。記号は U(ユー)です。
高い所から落ちたおもりが、くいを地面に押し込みます。
「高い所」というときは、どこから測った高さかを決めなければなりません。高さを 0 とする水平な面を、基準面といいます。基準面は、問題を解く人が自分で決めてよい約束です。床でも、机の上でも、地面でもかまいません。高さ h は、基準面から測った高さです。基準面より上を正、下を負とします。
質量 1.0 kg のボールが、床から 2.0 m の高さにあります。ここでは、床を基準面にします。ボールが基準面(床)まで下りる間、ボールには下向きに重力 mg = 1.0 × 9.8 = 9.8 N がはたらきます。ボールが動く向きも下向きなので、重力がする仕事は、力 × 距離 = 9.8 × 2.0 = 19.6 J です。物体が基準面の高さまで移る間に重力がする仕事を、重力による位置エネルギーといいます。床から 2.0 m の高さにある 1.0 kg のボールの、重力による位置エネルギーは 19.6 ≒ 20 J です。
質量 m の物体が、基準面から高さ h の所にあるとき、基準面まで下りる間に重力がする仕事は mg × h です。
重力がする仕事は、高さの差だけで決まり、下りる道筋によりません。たとえば、ボールがなめらかな斜面を下りて床に着いても、まっすぐ落ちたときと同じ mgh です。上げるときも同じで、なめらかな斜面に沿ってゆっくり引き上げても、真上に持ち上げても、手が高さ h まで上げる仕事は mgh です(これを仕事の原理といいます)。
同じボール(床から 2.0 m)で、基準面を、床から 1.0 m の机の上に変えてみます。基準面からの高さは h = 2.0 − 1.0 = 1.0 m なので、U = 1.0 × 9.8 × 1.0 = 9.8 J です。ボールの位置は同じでも、基準面を変えると、位置エネルギーの値は変わります。だから、位置エネルギーを書くときは、どこを基準面にしたかも書きます。
基準面を机の上(床から 1.0 m)にしたまま、ボールを床に置きます。床は基準面より 1.0 m 下なので、h = −1.0 m です。U = 1.0 × 9.8 × (−1.0) = −9.8 J です。位置エネルギーが負になるのは、基準面より下にあるからです。ボールが基準面の高さまで上がるとき、重力(下向き)は動く向き(上向き)と逆向きなので、重力がする仕事は負になります。
破線が基準面です。ボールの高さは、ボールが置かれている面の高さで測ります。赤の棒は重力による位置エネルギーで、基準面より下では負になります。
やってみよう
ボールの高さを 0.5 m にしてください。基準面の「床」のボタンを押したときと、「机の上(床から 1.0 m)」のボタンを押したときで、位置エネルギー U はそれぞれいくつですか。
基準面が床のとき U = +4.9 J、机の上のとき U = −4.9 J です。
確認
机の上のボールの位置エネルギーを、ある人は 0 J、別の人は 9.8 J と答えました。どちらかが必ず間違っていますか。
必ず間違っているとは言えません。基準面が違えば値も違うからです。
例題
質量 2.0 kg の物体が、基準面より 5.0 m 高い所にあります。この物体の、重力による位置エネルギーを求めなさい。重力加速度の大きさは 9.8 m/s² とします。
答え: 98 J
伸びたり縮んだりしたばねがもつエネルギーを、弾性力による位置エネルギーといい、U = 12kx2 で求めます。
ばねの左の端を壁に固定し、右の端に物体をつなぎます。物体を手で右へ引いてばねを伸ばし、手を放すと、ばねは自然の長さに戻ろうとして、物体を引き動かします。伸びたばねは、ほかの物体に仕事ができます。縮めたばねも、押し戻すことで仕事ができます。ばねがもつこのエネルギーは、ばねの端の位置(伸び・縮み)で決まります。だから、これも位置エネルギーの1つです。
藍の矢印は箱が受ける力です。手を放すと、伸びたばねが箱を引き戻します。
ばねに何も力を加えないときの長さを自然の長さといい、自然の長さからの伸び、または縮みを x で表します。x は 0 以上の数です。ばねの弾性力(ばねが元の長さに戻ろうとする力)の大きさは F = kx です。k はばね定数(単位 N/m)です。小文字の k はばね定数で、運動エネルギーの大文字の K とは別のものです。
ばね定数 20 N/m のばねを、手でゆっくり 0.30 m 伸ばすときの、手がする仕事を考えます。ゆっくり伸ばすとき、手がばねを引く力の大きさは、そのときの弾性力の大きさ kx と同じです。伸びが大きくなるほど、手が引く力も大きくなります。
| 伸び x [m] | 0 | 0.10 | 0.20 | 0.30 |
|---|---|---|---|---|
| 手が引く力 F [N] | 0 | 2.0 | 4.0 | 6.0 |
最後の力 6.0 N を使って W = 6.0 × 0.30 = 1.8 J としてはいけません。最初のうちは、手はもっと小さい力で引いていたからです。
仕事 W = Fx を、グラフで見直します。横軸に動いた距離 x、縦軸に力 F をとったグラフを、F-x グラフといいます。力が一定の 4.0 N で、0.30 m 動かすとき、グラフは高さ 4.0 N の横の線です。グラフの点 (0.20 m, 4.0 N) は、0.20 m 動いた所で、力が 4.0 N であることを表します。仕事は W = 4.0 × 0.30 = 1.2 J です。これは、グラフの線の下にできる、縦 4.0 N、横 0.30 m の長方形の面積と同じです。
力が一定のとき、グラフの下の長方形の面積が仕事です。
力が変わるときも、グラフの線の下の面積が仕事になります。動いた距離を細かく分けると、それぞれの短い間では力がほぼ一定なので、細い長方形の面積を足し合わせたものが仕事になるからです。ばねの場合、手が引く力 F = kx は伸び x に比例するので、F-x グラフは原点を通る直線です。グラフの下は三角形になります。0.30 m 伸ばすときは、底辺 0.30 m、高さ 6.0 N の三角形です。面積は 12 × 0.30 × 6.0 = 0.90 J です。手がした仕事は 0.90 J です。力は 0 N から 6.0 N まで一様に増えたので、平均の力は 3.0 N です。3.0 × 0.30 = 0.90 J と計算しても同じになります。
0.30 m 伸びたばねが自然の長さに戻るとき、ばねがつながった物体にする仕事も、同じ三角形の面積で 0.90 J です。自然の長さに戻るまでに弾性力がする仕事を、弾性力による位置エネルギー(弾性エネルギー)といいます。伸び x のとき、三角形の底辺は x、高さは kx です。面積は 12 × x × kx = 12kx2 です。
確かめると、12 × 20 × 0.302 = 12 × 20 × 0.090 = 0.90 J で、三角形の面積と同じです。
ばね定数は 20 N/m です。藍の三角形の面積が、手がした仕事で、ばねがもつ弾性力による位置エネルギーです。
やってみよう
伸び x を 0.10 m にしてください。次に、x を 0.20 m に変えてください。三角形の面積 U は、いくつからいくつになりましたか。何倍になりましたか。
U は 0.10 J から 0.40 J になり、4倍になりました。伸びが2倍になると、三角形の底辺も高さも2倍になるので、面積は 2 × 2 = 4 倍になります。
確認
同じばねを 0.10 m 伸ばしたときと、0.10 m 縮めたときで、弾性力による位置エネルギーは違いますか。
同じです。x には伸びも縮みも 0 以上の数で入れ、どちらも 12kx2 で求めるからです。
例題
ばね定数 50 N/m のばねを、自然の長さから 0.20 m 縮めました。このばねがもつ、弾性力による位置エネルギーを求めなさい。
答え: 1.0 J
重力加速度の大きさは 9.8 m/s² とします。
問1なめらかな水平の床の上を、質量 1.0 kg の台車が右へ速さ 2.0 m/s で動いています。台車を右へ一定の力 4.0 N で押しながら、1.0 m 進ませました。押した後の台車の速さを、仕事と運動エネルギーの関係を使って求めなさい。
約 3.5 m/s
はじめの運動エネルギーは 12 × 1.0 × 2.02 = 2.0 J。押す力がした仕事は 4.0 × 1.0 = 4.0 J。重力と垂直抗力の仕事は 0 なので、W = 4.0 J。12mv2 − 12mv02 = W から、12mv2 = 2.0 + 4.0 = 6.0 J。12 × 1.0 × v2 = 6.0 なので v2 = 12、v = √12 = 3.46… ≒ 3.5 m/s
問2あらい水平の床の上を、質量 2.0 kg の物体が速さ 7.0 m/s ですべり始めました。床と物体の間の動摩擦係数は 0.50 です。物体が止まるまでにすべる距離を、仕事と運動エネルギーの関係を使って求めなさい。
5.0 m
水平な床なので、垂直抗力の大きさは重力と同じ N = mg = 2.0 × 9.8 = 19.6 N。動摩擦力の大きさは、動摩擦係数 × 垂直抗力で f′ = μ′N = 0.50 × 19.6 = 9.8 N。すべる距離を x とすると、動摩擦力は動く向きと逆向きなので、した仕事は W = −9.8x(重力と垂直抗力の仕事は 0)。はじめの運動エネルギーは 12 × 2.0 × 7.02 = 49 J、止まったときは 0 J。12mv2 − 12mv02 = W から、0 − 49 = −9.8x、x = 49 ÷ 9.8 = 5.0 m
問3床から 1.0 m の高さの机と、1段 0.50 m の階段があります。質量 1.0 kg のボールが、床から 2.5 m の高さの段の上にあります。机の上を基準面にしたとき、ボールの重力による位置エネルギーを求めなさい。
約 15 J
基準面(机の上)からの高さは h = 2.5 − 1.0 = 1.5 m。U = mgh = 1.0 × 9.8 × 1.5 = 14.7 ≒ 15 J
問4質量 2.0 kg の物体を、地面から 8.0 m の高さの点 A と、3.0 m の高さの点 B に置くことを考えます。
(1) 地面を基準面にしたとき、A と B での重力による位置エネルギーと、その差(A − B)を求めなさい。
(2) 地面から 5.0 m の高さを基準面にしたとき、A と B での重力による位置エネルギーと、その差(A − B)を求めなさい。
(1) A 約 1.6 × 10² J、B 約 59 J、差 98 J (2) A 約 59 J、B 約 −39 J、差 98 J
(1) A: h = +8.0 m、U = 2.0 × 9.8 × 8.0 = 156.8 ≒ 1.6 × 10² J(160 と書くと何桁目まで意味のある数か分からないので、10 の累乗を使う)。B: h = +3.0 m、U = 2.0 × 9.8 × 3.0 = 58.8 ≒ 59 J。差は 156.8 − 58.8 = 98 J
(2) A: h = 8.0 − 5.0 = +3.0 m、U = 2.0 × 9.8 × 3.0 = 58.8 ≒ 59 J。B: h = 3.0 − 5.0 = −2.0 m(基準面より下)、U = 2.0 × 9.8 × (−2.0) = −39.2 ≒ −39 J。差は 58.8 − (−39.2) = 98 J
差は、丸める前の値で計算する。基準面を変えても、2つの位置の U の差は変わらない。差 98 J は、A から B まで下りる間に重力がする仕事 2.0 × 9.8 × (8.0 − 3.0) = 98 J と同じ
問5ばね定数 40 N/m のばねを、自然の長さから 0.15 m 縮めました。このばねがもつ、弾性力による位置エネルギーを求めなさい。
0.45 J
U = 12kx2 = 12 × 40 × 0.152 = 12 × 40 × 0.0225 = 0.45 J
問6ばね定数 50 N/m のばねが、自然の長さから 0.10 m 伸びています。このばねを手でゆっくり引いて、伸びを 0.30 m にしました。手がした仕事を求めなさい。
2.0 J
手がした仕事は、F-x グラフで、伸び 0.10 m から 0.30 m までの線の下の面積。これは、0.30 m まで伸ばす仕事(三角形)から、0.10 m まで伸ばす仕事(小さい三角形)を引いたもので、弾性力による位置エネルギーの差になる。0.30 m のとき U = 12 × 50 × 0.302 = 2.25 J、0.10 m のとき U = 12 × 50 × 0.102 = 0.25 J。手がした仕事は 2.25 − 0.25 = 2.0 J。(台形の面積で計算しても同じ: 伸び 0.10 m の力は 50 × 0.10 = 5.0 N、0.30 m の力は 50 × 0.30 = 15 N で、(5.0 + 15) × 0.20 ÷ 2 = 2.0 J)
公式
物理基礎 第3章 仕事とエネルギー