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運動量保存則

要点

運動量保存則mAvA + mBvB = mAvA′ + mBvB′外力の和が 0 のとき。速度は右を正とした符号つきの値です。
合体mAvA + mBvB = (mA + mB)v′v′ はくっついた後の速度で、2つの物体で同じです。
平面上運動量の x 成分の和と y 成分の和が、それぞれ変わらない

1運動量保存則

2つの物体が力を及ぼし合うだけなら、2つの物体の運動量の和は、衝突の前と後で変わりません。

摩擦のない、なめらかな水平のレールの上に、台車 A と台車 B を置きます。A の質量は 2.0 kg、B の質量は 1.0 kg です。B を止めておき、A を右向きに 3.0 m/s で走らせて、B にぶつけます。

記号の右下の小さい A・B は、どちらの台車の量かを区別するための印です。mA は A の質量、vB は B の速度です。衝突の後の速度には「′」(ダッシュ)を付けます。「′」は「後」の印で、vA′(ブイ・エー・ダッシュ)は衝突の後の A の速度です。

このページでは右を正の向きとします。速度は符号つきで書き、左向きに動けば負です。運動量は質量 × 速度で、p = mv と書きます(単位 kg·m/s)。左向きに動く物体の運動量は負になります。この場面では、mA = 2.0 kg、mB = 1.0 kg、vA = +3.0 m/s、vB = 0 m/s です。A の運動量は 2.0 × 3.0 = 6.0 kg·m/s、B の運動量は 0 kg·m/s です。

次の動画で、衝突している間に A と B が受ける力と、運動量の移り方を確かめます。重い A と軽い B では、衝突している間に強く押されるのはどちらだと思いますか。予想してから動画を見てください。

0:00 / 0:16
なめらかなレールの上で、台車 A(2.0 kg)が、止まっている台車 B(1.0 kg)にぶつかります。衝突している間だけ、ゆっくり再生しています。台車の下の紫の数値は、それぞれの速度です。右下の棒は、それぞれの台車の運動量と、その和です。最後は画面を止めて、運動量を表にしています。

やってみよう

見出しが「衝突の間(ゆっくり再生)」の間(2.5 秒から 8.5 秒)を見てください。(1) 「B が A を押す力」と「A が B を押す力」の矢印の長さを比べてください。どちらが長いですか。それとも同じですか。(2) A の運動量の棒は何 kg·m/s 減りましたか。B の棒は何 kg·m/s 増えましたか。(3) 2本の力の矢印がいちばん長くなったとき(5.5 秒ごろ)に止めて、A・B・和の棒の値を読んでください。

分かること

(1) 2本の矢印は、どのときも同じ長さでした。重い A も軽い B も、同じ強さで押されます。(2) A は 6.0 から 2.0 へ 4.0 kg·m/s 減り、B は 0.0 から 4.0 へ 4.0 kg·m/s 増えました。A が減らした分を、B がそのまま受け取っています。(3) A は約 4.0、B は約 2.0(止めた時刻で少し違います)、和は 6.0 kg·m/s です。衝突の途中でも、和は 6.0 kg·m/s のままです。

衝突している間、A は B から左向きに押され、B は A から右向きに押されます。この2つの力は作用・反作用(A が B を押すと、B も A を押し返す、1組の力)なので、大きさは時間とともに変わっても、どの瞬間も同じ大きさで逆向きです。2つの力がはたらくのは、2台が接している間だけです。だから、力がはたらく時間も同じです。

力積は、力 F × 力がはたらいた時間 Δt(デルタ・ティー)で、FΔt と書きます。力積は力と時間で決まるので、A が受ける力積と B が受ける力積も、同じ大きさで逆向きです。物体の運動量の変化は、その物体が受けた力積に等しくなります(mv′ − mv = FΔt)。だから、A の運動量の変化と B の運動量の変化も、同じ大きさで逆向きです。

衝突の後、A は +1.0 m/s、B は +4.0 m/s で動きました。運動量を表にすると、次のようになります。

衝突の前衝突の後変化(後 − 前)
A2.0 × 3.0 = 6.0 kg·m/s2.0 × 1.0 = 2.0 kg·m/s−4.0 kg·m/s
B1.0 × 0 = 0 kg·m/s1.0 × 4.0 = 4.0 kg·m/s+4.0 kg·m/s
和6.0 kg·m/s6.0 kg·m/s0 kg·m/s

A が受けた力積は −4.0 N·s、B が受けた力積は +4.0 N·s です。2つの運動量の和は、衝突の前も後も 6.0 kg·m/s です。和は、符号を付けたまま足します。

A と B の2つをひとまとまりとして考えます。A と B が互いに及ぼし合う力を内力といいます。この場面では、「B が A を押す力」と「A が B を押す力」が内力です。2つの物体の外にある物(地球やレールなど)から受ける力を外力といいます。この場面では、重力とレールからの垂直抗力が外力です。重力と垂直抗力は縦の向きで、台車ごとにつり合っています。レールはなめらかなので、横の向きには外力がはたらきません。運動量の和を変えられるのは、外力だけです。

外力の和が 0 のとき(この場面のように、外力がはたらいてもつり合っているときも含みます)、2つの物体の運動量の和は変わりません。これを運動量保存則といいます。記号で書くと、次の式になります。左辺が衝突の前、右辺が衝突の後の運動量の和です。

mAvA + mBvB = mAvA′ + mBvB′
外力の和が 0 のとき。速度は右を正とした符号つきの値を入れます。

この場面の値を入れると、2.0 × 3.0 + 1.0 × 0 = 2.0 × 1.0 + 1.0 × 4.0 で、両辺とも 6.0 kg·m/s です。

確認

衝突している間に、A が受けた力積と B が受けた力積を足すと、いくつになりますか。

答え

0 です。2つの力積は同じ大きさで逆向きだからです。

例題

なめらかな水平のレールの上で、質量 1.0 kg の台車 A が右向きに 4.0 m/s で進み、止まっている質量 3.0 kg の台車 B にぶつかりました。衝突の後、A は左向きに 2.0 m/s ではね返りました。衝突の後の B の速度を求めなさい。右を正の向きとします。

  1. 右を正とするので、vA = +4.0 m/s、vB = 0 m/s です。
  2. A は左向きにはね返ったので、vA′ = −2.0 m/s です。
  3. 運動量保存則の式に入れると、1.0 × 4.0 + 3.0 × 0 = 1.0 × (−2.0) + 3.0 × vB′ です。
  4. 4.0 = −2.0 + 3.0 × vB′ から、3.0 × vB′ = 6.0 です。
  5. vB′ = 6.0 ÷ 3.0 = +2.0 m/s です。

答え: +2.0 m/s(右向きに 2.0 m/s)

2合体(くっつく衝突)

2つの物体がぶつかってくっつくと、衝突の後は2つが同じ速度で動くので、求める速度は1つだけになります。

台車 A の前に粘土を付けて、止まっている台車 B にぶつけると、2台はくっつき、1つになって動きます。このように、ぶつかってくっつくことを合体といいます。くっついた2台は、同じ速度で動きます。この速度を v′ と書きます(A・B の印は付けません)。

なめらかなレールの上で、前に粘土を付けた台車 A が右へ進み、止まっている台車 B にぶつかってくっつく。くっついた2台は、A より遅い速さで一緒に右へ進む A B 粘土
ようす くっついて、一緒に進む

動きの速さは実際とは違います。

運動量保存則の右辺は、vA′ と vB′ がどちらも v′ になるので、mAv′ + mBv′ = (mA + mB)v′ です。

mAvA + mBvB = (mA + mB)v′
v′ はくっついた後の速度で、2つの物体で同じです。

くっついた後は、質量 mA + mB の1つの物体として、衝突の前と同じ運動量を持って動きます。

質量 2.0 kg の A が +3.0 m/s で進み、止まっている質量 2.0 kg の B にぶつかってくっつく場合を考えます。衝突の前の運動量の和は、2.0 × 3.0 + 2.0 × 0 = 6.0 kg·m/s です。くっついた後の質量は 2.0 + 2.0 = 4.0 kg です。運動量の和は 6.0 kg·m/s のままなので、4.0 × v′ = 6.0 です。v′ = 6.0 ÷ 4.0 = +1.5 m/s です。A の速さ 3.0 m/s の半分になります。

次の図で、ぶつけられる台車 B の重さを変えて、くっついた後の2台の速さがどう変わるかを確かめます。

なめらかなレールの上で、前に粘土を付けた2.0キログラムの台車Aを毎秒3.0メートルで走らせ、止まっている台車Bにぶつけてくっつける図。Bに積むおもりの数でBの質量を変えて走らせると、くっついた後の2台の速度と運動量の和が表示され、くっついた後の0.5秒ごとの位置に点が残る なめらかなレール 位置 [m] A2.0kg 粘土 B1.0kg vA = +3.0 m/s v′

レールはなめらかで、台車 A は 2.0 kg、衝突の前の速度は +3.0 m/s です。B の台車は 1.0 kg で、おもりを1個積むごとに 1.0 kg 重くなります。点は、くっついた後の 0.5 秒ごとの位置です。くっついてから 2.0 秒で図の動きを止めます(実際には進み続けます)。

衝突の前の運動量の和 6.0 kg·m/s 衝突の後の運動量の和 — くっついた後の速度 v′ —

やってみよう

B の質量を 1.0 kg から 1.0 kg ずつ重くして、そのつど「走らせる」を押してください。くっついた後の速度が +1.00 m/s になるのは、B の質量が何 kg のときですか。

分かること

4.0 kg のときです。くっついた後の質量は 2.0 + 4.0 = 6.0 kg で、6.0 kg × 1.00 m/s = 6.0 kg·m/s です。

確認

くっついた後の2台の運動量の和は、衝突の前の和より小さくなりますか。

答え

いいえ。外力の和が 0 なので、衝突の前と同じです。

例題

なめらかな水平のレールの上で、質量 2.0 kg の台車 A が右向きに 5.0 m/s で、質量 3.0 kg の台車 B が左向きに 2.0 m/s で進み、正面からぶつかってくっつきました。くっついた後の速度を求めなさい。右を正の向きとします。

  1. 右を正とするので、vA = +5.0 m/s、vB = −2.0 m/s です。
  2. 衝突の前の運動量の和は、2.0 × 5.0 + 3.0 × (−2.0) = 10 − 6.0 = 4.0 kg·m/s です。
  3. くっついた後の質量は 2.0 + 3.0 = 5.0 kg なので、5.0 × v′ = 4.0 です。
  4. v′ = 4.0 ÷ 5.0 = 0.80 m/s です。与えた数(2.0 kg・5.0 m/s など)が 2 桁なので、答えも 0.8 ではなく 0.80 と 2 桁で書きます。

答え: +0.80 m/s(右向きに 0.80 m/s)

3分裂

止まっていた物体が2つに分かれるとき、運動量の和は分かれた後も 0 なので、2つは逆向きに動き、軽いほうが速く動きます。

なめらかなレールの上に、質量 1.0 kg の台車 A と質量 2.0 kg の台車 B を、間に縮めたばねをはさんで並べ、糸でしばっておきます。A が左、B が右です。2台は止まっています。糸を切ると、ばねが2台を押し離し、2台は逆向きに動き出します。このように、1つの物体(ここでは、しばってひとまとまりになった2台)が2つに分かれることを分裂といいます。ばねはとても軽いので、ばねの運動量は考えなくてよく、A と B の2つだけを考えます。ばねを通して A と B が押し合う力は内力です。横の向きに外力ははたらかないので、運動量保存則が使えます。

なめらかなレールの上で、縮めたばねをはさんで糸でしばった台車 A(1.0 kg)と台車 B(2.0 kg)が止まっている。糸が切れると、軽い A は左へ速く、重い B は右へゆっくり離れていく A 1.0 kg B 2.0 kg
ようす 糸が切れて、2台が逆向きに離れていく

動きの速さは実際とは違います。

分かれる前、2台は止まっているので、運動量の和は 0 kg·m/s です。だから、分かれた後の運動量の和も 0 です。和が 0 になるには、2台の運動量が同じ大きさで逆向き(一方が正、もう一方が負)でなければなりません。

分かれた後、A は −2.0 m/s、B は +1.0 m/s で動きました。A の運動量は 1.0 × (−2.0) = −2.0 kg·m/s、B の運動量は 2.0 × 1.0 = +2.0 kg·m/s で、和は 0 kg·m/s です。運動量の大きさは同じ 2.0 kg·m/s なので、質量が 2 倍の B は、速さが A の半分になります。

次の図は、スケートリンクのなめらかな氷の上で、止まっていたあなたと友だちが、手で押し合って離れる場面です。友だちの体重(質量)を変えて、押し合った後の2人の離れる速さがどう違うかを確かめます。

なめらかな氷の上で、60キログラムのあなたと友だちが向かい合って止まっている図。友だちの質量を変えて押し合うと、2人が逆向きにすべって離れ、2人の速度と運動量の和が表示され、押し合った後の0.5秒ごとの位置に点が残る 氷(なめらか) 位置 [m] 押し合う あなた60 kg 友だち60 kg あなたの速度 友だちの速度

氷はなめらかで、摩擦は考えません。押し合う強さは、この図では、2人がどちらも 60 N·s の力積を受けるように決めています(あなたは左向き、友だちは右向き)。点は、押し合った後の 0.5 秒ごとの位置です。押し合ってから 2.0 秒で図の動きを止めます(実際にはすべり続けます)。

あなたの速度 — 友だちの速度 — 運動量の和 0 kg·m/s

やってみよう

友だちの質量を 60 kg から 10 kg ずつ軽くして、そのつど「押し合う」を押してください。友だちの離れる速さが、あなたの速さの 2 倍になるのは、友だちの質量が何 kg のときですか。そのときの2人の速度を読んでください。

分かること

30 kg のときです。あなたは −1.00 m/s、友だちは +2.00 m/s です。0.5 秒ごとの点の間隔も、友だちのほうが 2 倍です。

確認

押し合う前の、あなたと友だちの運動量の和はいくつですか。押し合った後はどうですか。

答え

どちらも 0 kg·m/s です。押し合う前は2人とも止まっていて、押し合う力は内力だからです。

例題

なめらかな氷の上に、質量 50 kg の人が、質量 2.0 kg のボールを持って止まっています。人がボールを、水平に右向きに 10 m/s で投げました。投げた後の人の速度を求めなさい。右を正の向きとします。

  1. 投げる前、人とボールは止まっているので、運動量の和は 0 kg·m/s です。
  2. 投げた後のボールの運動量は、2.0 × 10 = +20 kg·m/s です。
  3. 人の速度を v とすると、運動量保存則から 50 × v + 20 = 0 です。
  4. 50 × v = −20 から、v = −20 ÷ 50 = −0.40 m/s です。

答え: −0.40 m/s(左向きに 0.40 m/s)

4平面上の衝突

平面上の衝突では、運動量の x 成分の和と y 成分の和が、それぞれ衝突の前と後で変わりません。

なめらかな水平の台の上をすべる2つの球を、真上から見て考えます。この項目では、図の右を x の正の向き、図の上を y の正の向きとします。真上から見た図なので、図の上は鉛直上向きではなく、台の上の1つの向き(たとえば北)です。

運動量はp = mv で、速度と同じ向きの矢印で表せます(文字の上の矢印は、向きを持つ量の印です)。平面の上では、運動量を x 成分と y 成分に分けて考えます。A の運動量のベクトルを pA、B の運動量のベクトルを pB と書きます。

質量 1.0 kg の球 A が x の正の向きに 4.0 m/s で、質量 1.0 kg の球 B が y の正の向きに 3.0 m/s ですべってきて、交差点のような所でぶつかり、くっつきます。A の運動量は x 成分 1.0 × 4.0 = +4.0 kg·m/s、y 成分 0 kg·m/s です。B の運動量は x 成分 0 kg·m/s、y 成分 1.0 × 3.0 = +3.0 kg·m/s です。

x 成分y 成分
A の運動量+4.0 kg·m/s0 kg·m/s
B の運動量0 kg·m/s+3.0 kg·m/s
和(衝突の前)+4.0 kg·m/s+3.0 kg·m/s

衝突している間、A と B は作用・反作用で、同じ大きさで逆向きの力を及ぼし合います。この力を x 成分と y 成分に分けると、どちらの向きでも、A と B が受ける力積は同じ大きさで逆向きです。だから、x 成分の和と y 成分の和が、それぞれ変わりません。この場面では、衝突の後も、運動量の x 成分の和は +4.0 kg·m/s、y 成分の和は +3.0 kg·m/s です。

運動量の和をベクトルで表すときは、pA の矢印の先に pB の矢印の根元をつなぎ、pA の根元から pB の先へ矢印を引きます。この矢印は、横 4.0、縦 3.0 の直角三角形の斜辺なので、大きさは √4.02 + 3.02 = √25 = 5.0 kg·m/s です。

(a) 真上から見た場面。ぶつかる所Oの左から、1.0キログラムの球Aが右向きに毎秒4.0メートルで、Oの下から、1.0キログラムの球Bが上向きに毎秒3.0メートルで、Oへ向かってすべってくる (a) 真上から見た場面 ぶつかる所 A 1.0 kg 4.0 m/s B 1.0 kg 3.0 m/s x y (b) 運動量の矢印。1目盛り1.0キログラムメートル毎秒の方眼に、原点から右へ4目盛りのpA、その先から上へ3目盛りのpB(破線)、原点から右へ4・上へ3の点へ向かう和の矢印pA+pBを描いた図 (b) 運動量の矢印 y 成分 [kg·m/s] x 成分 [kg·m/s] pA pB pA + pB

(b) の方眼の1目盛りは 1.0 kg·m/s です。pA の先に pB をつないで足しています。

確認

平面上の衝突で、運動量の「大きさの和」(A の大きさ + B の大きさ)は、衝突の前と後で変わりませんか。

答え

変わることがあります。この図の衝突では、前は 4.0 + 3.0 = 7.0 kg·m/s、後はくっついた球の運動量の大きさで 5.0 kg·m/s です。

例題

上の図の2つの球(A は 1.0 kg、x の正の向きに 4.0 m/s。B は 1.0 kg、y の正の向きに 3.0 m/s)が、ぶつかってくっつきました。くっついた後の速度の x 成分と y 成分、速さを求めなさい。

  1. 衝突の前の運動量の和は、x 成分 +4.0 kg·m/s、y 成分 +3.0 kg·m/s です。
  2. くっついた後の質量は 1.0 + 1.0 = 2.0 kg です。
  3. x 成分の和は変わらないので、2.0 × (速度の x 成分) = 4.0 から、x 成分は 4.0 ÷ 2.0 = +2.0 m/s です。
  4. y 成分の和も変わらないので、2.0 × (速度の y 成分) = 3.0 から、y 成分は 3.0 ÷ 2.0 = +1.5 m/s です。
  5. 速さは、√2.02 + 1.52 = √6.25 = 2.5 m/s です。

答え: x 成分 +2.0 m/s、y 成分 +1.5 m/s、速さ 2.5 m/s

練習問題

床・レール・氷・台はどれもなめらかで、摩擦は考えません。一直線の運動は右を正の向きとします。平面の運動は、右を x の正の向き、図の上を y の正の向きとします。重力加速度は使いません。

パターン1 衝突・合体(一直線)

問1前に粘土を付けた質量 2.0 kg の台車 A が、右向きに 3.0 m/s で進み、止まっている質量 3.0 kg の台車 B にぶつかってくっつきました。くっついた後の速度を求めなさい。

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+1.2 m/s(右向きに 1.2 m/s)

衝突の前の運動量の和は 2.0 × 3.0 + 3.0 × 0 = 6.0 kg·m/s。くっついた後の質量は 2.0 + 3.0 = 5.0 kg。5.0 × v′ = 6.0 から、v′ = 6.0 ÷ 5.0 = +1.2 m/s

問2質量 4.0 kg の台車 A が右向きに 3.0 m/s で、質量 2.0 kg の台車 B が左向きに 3.0 m/s で進み、正面からぶつかりました。衝突の後、A は左向きに 1.0 m/s で動きました。衝突の後の B の速度を求めなさい。

答えを見る

+5.0 m/s(右向きに 5.0 m/s)

右を正とすると、vA = +3.0 m/s、vB = −3.0 m/s、vA′ = −1.0 m/s。衝突の前の運動量の和は 4.0 × 3.0 + 2.0 × (−3.0) = 12 − 6.0 = 6.0 kg·m/s。運動量保存則から 6.0 = 4.0 × (−1.0) + 2.0 × vB′、2.0 × vB′ = 6.0 + 4.0 = 10、vB′ = +5.0 m/s

パターン2 分裂

問3なめらかな氷の上で、質量 60 kg のあなたと質量 40 kg の友だちが、向かい合って止まっています。2人が手で押し合うと、あなたは左向きに 1.0 m/s で動き出しました。友だちの速度を求めなさい。

答えを見る

+1.5 m/s(右向きに 1.5 m/s)

押し合う前の運動量の和は 0 kg·m/s。あなたの運動量は 60 × (−1.0) = −60 kg·m/s。友だちの速度を v とすると、−60 + 40 × v = 0、v = 60 ÷ 40 = +1.5 m/s

問4なめらかな水平の床の上を、質量 60 kg の人が乗った質量 30 kg の台車が、右向きに 1.0 m/s で進んでいます。人が台車の後ろから水平に跳び降りたところ、人の速度は、床から見て左向きに 0.50 m/s になりました。跳び降りた後の台車の速度を求めなさい。水平の向きの運動だけを考えます。

台車 30 kg 人 60 kg 1.0 m/s
答えを見る

+4.0 m/s(右向きに 4.0 m/s)

水平の向きには外力がはたらかないので、水平の向きの運動量の和は変わらない。跳び降りる前は、人と台車が一緒に +1.0 m/s で動いているので、運動量の和は (60 + 30) × 1.0 = 90 kg·m/s。跳び降りた後の人の運動量は 60 × (−0.50) = −30 kg·m/s。台車の速度を v とすると、90 = −30 + 30 × v、30 × v = 120、v = +4.0 m/s

パターン3 平面上の衝突

問5なめらかな水平の台の上で、質量 3.0 kg の球 A が x の正の向きに 2.0 m/s で、質量 2.0 kg の球 B が y の正の向きに 4.0 m/s ですべってきて、ぶつかってくっつきました。くっついた後の速度の x 成分と y 成分、速さを求めなさい。

A 3.0 kg 2.0 m/s B 2.0 kg 4.0 m/s x y
答えを見る

x 成分 +1.2 m/s、y 成分 +1.6 m/s、速さ 2.0 m/s

衝突の前の運動量の和は、x 成分 3.0 × 2.0 = 6.0 kg·m/s、y 成分 2.0 × 4.0 = 8.0 kg·m/s。くっついた後の質量は 3.0 + 2.0 = 5.0 kg。x 成分 6.0 ÷ 5.0 = +1.2 m/s、y 成分 8.0 ÷ 5.0 = +1.6 m/s。速さは √1.22 + 1.62 = √4.0 = 2.0 m/s

問6なめらかな水平の台の上で、質量 1.0 kg の球 A が x の正の向きに 5.0 m/s ですべってきて、止まっている質量 2.0 kg の球 B に当たりました。衝突の後、A は y の正の向きに 2.0 m/s で動きました(直角に曲がりました)。衝突の後の B の速度の x 成分と y 成分を求めなさい。

衝突の前 衝突の後 A 1.0 kg 5.0 m/s B 2.0 kg 止まっている A 1.0 kg 2.0 m/s B 2.0 kg ? x y
答えを見る

x 成分 +2.5 m/s、y 成分 −1.0 m/s

衝突の前の運動量の和は、x 成分 1.0 × 5.0 = 5.0 kg·m/s、y 成分 0 kg·m/s。衝突の後の A の運動量は、x 成分 0 kg·m/s、y 成分 1.0 × 2.0 = 2.0 kg·m/s。x 成分: 5.0 = 0 + 2.0 × (B の x 成分) から、B の x 成分 = +2.5 m/s。y 成分: 0 = 2.0 + 2.0 × (B の y 成分) から、B の y 成分 = −2.0 ÷ 2.0 = −1.0 m/s(図の下向き)

衝突の後 A 1.0 kg 2.0 m/s B 2.0 kg +2.5 m/s −1.0 m/s x y

つまずきやすいところ

まとめ

要点

運動量保存則mAvA + mBvB = mAvA′ + mBvB′外力の和が 0 のとき。速度は右を正とした符号つきの値です。
合体mAvA + mBvB = (mA + mB)v′v′ はくっついた後の速度で、2つの物体で同じです。
平面上運動量の x 成分の和と y 成分の和が、それぞれ変わらない

物理 第3章 運動量

  1. 運動量と力積
  2. 運動量保存則
  3. 反発係数
  4. 運動量とエネルギーの応用

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