ゼロからの高校物理 / 物理基礎 / 力と運動の法則

圧力と浮力

公式

圧力p = FSF は面を垂直に押す力、S は面積です。単位は Pa(= N/m²)。
水圧p = p0 + ρhgp0 は大気圧、ρ は水の密度、h は水面からの深さです。
浮力F浮 = ρVgρ は液体の密度、V は液体の中にある部分の体積です。
密度ρ = mVm は物体の質量、V は物体の体積です。

1圧力

面 1 m² あたりを垂直に押す力の大きさを、圧力といいます。

やわらかいスポンジの上に、重さ 20 N の箱を置きます。箱の大きさは、0.50 m × 0.20 m × 0.10 m です。広い面(0.50 m × 0.20 m)を下にすると、スポンジは少しだけへこみます。狭い面(0.20 m × 0.10 m)を下にすると、スポンジは深くへこみます。

箱は止まっているので、スポンジが箱を押す力(垂直抗力)は、箱の重さと同じ 20 N です。その反作用の、箱がスポンジを押す力も 20 N です。置き方を変えても同じです。押す力が同じなのに、へこみ方が違います。違うのは、力がかかる面積です。

広い面の面積は、0.50 × 0.20 = 0.10 m² です。m² は「平方メートル」と読みます。0.10 m² は、1 m² の 10 分の 1 です。同じ押し方で 1 m² 全体を押すとしたら、力は 10 倍の 20 × 10 = 200 N になります。この「1 m² あたりの力」は、20 ÷ 0.10 = 200 N と、割り算で求められます。狭い面の面積は、0.20 × 0.10 = 0.020 m² です。1 m² あたりでは 20 ÷ 0.020 = 1000 N です。1 m² あたりの力は、狭い面のほうが 5 倍大きくなります。だから、狭い面を下にしたほうが深くへこみます。

面 1 m² あたりを垂直に押す力の大きさを、圧力といいます。圧力は、力の大きさを面積で割って求めます。

p = FS
p(ピー)は圧力、F は面を垂直に押す力の大きさ(N)、S(エス)は面積(m²)です。

圧力の単位は N/m² で、「ニュートン毎平方メートル」と読みます。1 N/m² を 1 Pa と書き、「1 パスカル」と読みます。1 Pa は、1 m² の面を 1 N の力で垂直に押すときの圧力です。箱の広い面を下にしたときの圧力は 200 Pa、狭い面を下にしたときは 1000 Pa です。

200 のような数は、10 の累乗を使って 2.0 × 10² とも書きます。10² は「10 の 2 乗」と読み、10 × 10 = 100 のことです。2.0 × 10² = 2.0 × 100 = 200 です。同じように、10³ = 10 × 10 × 10 = 1000 なので、1000 = 1.0 × 10³ です。

箱がスポンジを押す力 20 N 触れている面0.10 m² 圧力 2.0 × 10² Pa 箱がスポンジを押す力 20 N 触れている面0.020 m² 圧力 1.0 × 10³ Pa

藍の矢印は、スポンジが受ける力です。

確認

あなたが雪の上に立つとき、長靴だけで立つときと、スキー板をはいて立つときで、雪が受ける力の大きさは違いますか。スキー板の重さは考えないものとします。

答え

同じです。違うのは雪に触れている面積で、スキー板のほうが面積が大きく、圧力が小さくなります。

例題

重さ 60 N の箱が、水平な床の上に置かれています。箱が床に触れている面の面積は 0.20 m² です。床が箱から受ける圧力を求めなさい。

  1. 箱が床を押す力の大きさは、箱の重さと同じ 60 N です。
  2. p = FS に入れて、p = 60 ÷ 0.20 = 300 Pa です。
  3. 300 と書くと何桁目まで意味のある数か分からないので、2 桁で 3.0 × 10² Pa と書きます。

答え: 3.0 × 10² Pa

2水圧

水の中の圧力を水圧といいます。水圧は、深いほど大きくなります。

プールで深くもぐると、耳が押されるように感じます。深くもぐるほど、強く押されます。水の中の物体は、まわりの水から押されています。水の中の圧力を水圧といいます。

プールを横から切った絵。水の中で、同じ人が浅い所(薄く描いた姿。頭まで水の中)と深い所(濃く描いた姿。底から少し浮いている)で立ち泳ぎをしている。頭の上・足の裏・胴の左右に、まわりの水が体の表面を押す力の藍の矢印を、外から当てて描いている。矢印の長さはその点の深さに合わせてあり、深い所の矢印は浅い所の2倍以上の長さで、1人の中では足の裏を押す矢印がいちばん長い 浅い所 深い所 水が押す力

矢印は、まわりの水が体の表面を押す力のうち、水の重さによる分です。深い所ほど長く、強く押しています。

このページでは、水面から下へ測った長さを、深さといいます。記号は h です。水面の深さは 0 m です。

水 1 m³ の質量は、1.0 × 10³ kg(1000 kg)です。m³ は「立方メートル」と読みます。1 m³ あたりの質量を密度といいます。記号は ρ(ロー)です。単位は kg/m³ で、「キログラム毎立方メートル」と読みます。水の密度は ρ = 1.0 × 10³ kg/m³ です。

水の中に、面積 0.010 m² の小さな板を、水平に置いたとします。深さは 1.0 m です。板の上には、底面積 0.010 m²、高さ 1.0 m の水の柱がのっています。水の柱の体積は、底面積 × 高さで、0.010 × 1.0 = 0.010 m³ です。水の柱の質量は、密度 × 体積で、1.0 × 10³ × 0.010 = 10 kg です。水の柱の重さは、mg = 10 × 9.8 = 98 N です。

98 N の水の柱が、0.010 m² の板にのっています。圧力は、98 ÷ 0.010 = 9800 Pa です。10 の累乗で書くと 9.8 × 10³ Pa です。深さ h、板の面積 S で、同じように計算します。

水の重さによる圧力は ρhg です。ρhg は ρ × h × g のことです。板の面積 S は、式に残りません。水の重さによる圧力は、深さ h だけで決まります。

水面の上には、空気がのっています。空気も、水面を押しています。空気による圧力を大気圧といい、記号 p0(ピー・ゼロ)で表します。小さな 0 は、深さ 0(水面)での圧力という印です。このページでは、大気圧を 1.0 × 10⁵ Pa とします。10⁵ は 10 を 5 回掛けた数で、1.0 × 10⁵ = 100,000 です。

深さ h の所の水圧は、大気圧に、水の重さによる圧力を足したものです。

p = p0 + ρhg
p は深さ h の所の水圧、p0 は大気圧、ρ は水の密度、g は重力加速度の大きさです。

深さ 1.0 m の所の水圧は、p = 1.0 × 10⁵ + 0.098 × 10⁵ = 1.098 × 10⁵ ≒ 1.1 × 10⁵ Pa です。

水圧は、上からだけでなく、横からも下からも、物体の面に垂直にはたらきます。同じ深さなら、面の向きを変えても、水圧の大きさは同じです。

水圧の式 p = p0 + ρhg の p0 は、水面を押している圧力です。ふたがないときは、水面を押しているのは大気圧です。水そうの水面にぴったり合うふたをのせ、上から押して、水面を押す圧力を大気圧より 1000 Pa 大きくしたとします。

このとき、式の p0 の所が 1000 Pa 増えます。ρhg の所は変わりません。だから、1000 Pa の違いが見えるように 1 Pa の桁まで書くと、深さ 1.0 m の所の水圧は 109,800 Pa から 110,800 Pa に、深さ 8.0 m の所の水圧は 178,400 Pa から 179,400 Pa になります。どちらも 1000 Pa 増えています。このように、容器の中で止まっている水では、水面を押して増やした圧力が、水の中のどの点にも同じだけ伝わります。これをパスカルの原理といいます。「パスカル」は、圧力の単位 Pa と同じ、パスカルという人の名前です。

横から見た水そう。水面の上に空気と大気圧 100,000 パスカルの文字。左に、水面を 0 として下へ 0 から 10 メートルの物差し。深さ h の所に水平に置いた板と、板の上から水面までの水の柱を点線の枠で示す 空気 大気圧 p0 = 100,000 Pa 板の上の水の柱 板(面積 0.010 m²)

板の上には、水の柱がのっています。水面には大気圧がかかっています。

水の重さによる圧力 ρhg Pa 水圧 p0 + ρhg Pa

やってみよう

深さ h を 2.0 m にしてください。次に、h を 4.0 m に変えてください。「水の重さによる圧力」と「水圧」は、それぞれいくつからいくつになりましたか。どちらが2倍になりましたか。

分かること

水の重さによる圧力は 19,600 Pa から 39,200 Pa になり、2倍になりました。水圧は 119,600 Pa から 139,200 Pa になり、2倍にはなりません(約 1.2 倍)。水圧には、深さで変わらない大気圧 100,000 Pa が入っているからです。

確認

同じ深さで、板を水平から縦向きに変えました。板が受ける水圧の大きさは変わりますか。

答え

変わりません。同じ深さなら、水圧はどの向きの面にも同じ大きさで、面に垂直にはたらきます。

例題

水面から深さ 5.0 m の所の水圧を求めなさい。水の密度は 1.0 × 10³ kg/m³、大気圧は 1.0 × 10⁵ Pa、重力加速度の大きさは 9.8 m/s² とします。

  1. 水の重さによる圧力は、ρhg = 1.0 × 10³ × 5.0 × 9.8 = 49 × 10³ = 4.9 × 10⁴ Pa です(49 × 1000 = 49,000 = 4.9 × 10,000)。
  2. 大気圧と足すために、10 の累乗をそろえます。4.9 × 10⁴ = 0.49 × 10⁵ です(49,000 = 0.49 × 100,000)。
  3. p = p0 + ρhg = 1.0 × 10⁵ + 0.49 × 10⁵ = 1.49 × 10⁵ Pa です。
  4. 2 桁に丸めて、1.5 × 10⁵ Pa です。

答え: 約 1.5 × 10⁵ Pa

3浮力

水の中の物体は、水から上向きの力を受けます。この力を浮力といい、大きさは、物体が押しのけた水の重さに等しくなります。

1辺 0.10 m の立方体を、水の中に全部沈めて、止めておきます。立方体の6つの面は、どれも水に押されています。押す向きは、どの面でも、面に垂直で立方体の中へ向かう向きです。

左の面と右の面は、同じ深さの範囲にあります。同じ深さどうしで水圧が同じなので、水が左の面を押す力と、右の面を押す力は、同じ大きさで逆向きです。2つの力は打ち消し合います。前の面と後ろの面も同じです。

下の面は、上の面より 0.10 m 深い所にあります。深いほど水圧は大きいので、下の面を押す力のほうが大きくなります。水が上の面を押す力は下向き、下の面を押す力は上向きです。その差の分だけ、立方体は上向きに押されます。

上の面の水圧にも、下の面の水圧にも、大気圧 p0 が同じだけ入っています。引き算をすると、大気圧の分は消えます。そこで、ここから先は、水の重さによる圧力 ρhg だけで計算します。

p = FS の両辺に S を掛けると、F = pS です。面を押す力の大きさは、圧力 × 面積で求められます。

立方体の1つの面の面積は、S = 0.10 × 0.10 = 0.010 m² です。上の面の深さを 0.20 m とします。下の面の深さは 0.20 + 0.10 = 0.30 m です。水が上の面を押す力の大きさを F1、下の面を押す力の大きさを F2 とします。小さい数字は、区別するための番号です。

上の面の水圧(水の重さによる分)は、1.0 × 10³ × 0.20 × 9.8 = 1960 Pa です。F1 = 1960 × 0.010 = 19.6 N(下向き)です。下の面の水圧は、1.0 × 10³ × 0.30 × 9.8 = 2940 Pa です。F2 = 2940 × 0.010 = 29.4 N(上向き)です。差は、29.4 − 19.6 = 9.8 N です。立方体は、水から上向きに 9.8 N の力を受けます。

水の中の物体が、まわりの水から受ける上向きの力を浮力といいます。水が物体の面を押す力を、全部合わせた力(合力)です。浮力の大きさを、記号 F浮(エフ・ふ)で表します。小さな「浮」は、浮力の印です。ほかの力の F と区別するために付けます。

上の面の深さを h、立方体の高さを L、面の面積を S とします。下の面の深さは h + L です。F1 = ρhg × S、F2 = ρ(h + L)g × S です。差は、F浮 = F2 − F1 = ρLSg です。LS(高さ × 底面積)は、立方体の体積 V です。だから、浮力の大きさは次の式で表せます。

F浮 = ρVg
ρ は液体の密度、V は液体の中にある部分の体積、g は重力加速度の大きさです。

式に、深さ h は残りません。全部沈んでいれば、深さを変えても浮力は同じです。式に、物体の質量や材料も入っていません。浮力は、液体の密度と、液体の中にある部分の体積で決まります。立方体で考えましたが、この式は、どんな形の物体でも成り立ちます。

立方体の体積は、V = 0.10 × 0.10 × 0.10 = 0.0010 m³ です。0.0010 は 1.0 × 10⁻³ と書きます。10⁻³ は「10 のマイナス 3 乗」と読み、1 ÷ 1000 = 0.001 のことです。F浮 = 1.0 × 10³ × 1.0 × 10⁻³ × 9.8 = 9.8 N です。10³ × 10⁻³ = 1000 × 0.001 = 1 だからです。上で、上の面と下の面の力の差から求めた 9.8 N と同じです。

ρV は、体積 V の水の質量です。ρVg は、体積 V の水の重さです。体積 V は、物体が水の中で占めている体積で、物体がそこにあるために押しのけた水の体積です。浮力の大きさは、物体が押しのけた水の重さに等しくなります。これをアルキメデスの原理といいます。

ρVg の V には、m³ で表した体積を入れます。

横から見た水そうの中に、1辺0.10メートルの立方体を全部沈めた図。左に、水面を 0 として下へ 0 から 0.40 メートルの物差し。立方体の中に、上の面から下向きに水が上の面を押す力 F1(藍の実線、中くらいの太さ)、下の面から上向きに水が下の面を押す力 F2(藍の実線、太い)、左右の面から内向きの短い細い矢印。矢印の長さは力の大きさに比例する 水が上の面を押す力 F1 水が下の面を押す力 F2 左右から押す力は打ち消し合う

上の面から下向きの矢印が F1、下の面から上向きの太い矢印が F2 で、どちらも水が面を押す力です。左右の短い矢印は、横の面を押す力です。F1・F2 は、水の重さによる分だけを描いています(大気圧の分は、上の面と下の面で同じなので、差には残りません)。

上の面を押す力 F1 N 下の面を押す力 F2 N 浮力 F浮 N

やってみよう

上の面の深さを 0.10 m にしてください。次に、0.30 m に変えてください。F1 と F2 は、それぞれいくつからいくつになりましたか。浮力 F浮 はどうなりましたか。

分かること

F1 は 9.8 N から 29.4 N に、F2 は 19.6 N から 39.2 N になりました。どちらも大きくなりましたが、浮力 F浮 は 9.8 N のままです。

確認

同じ体積の鉄の玉と木の玉を、水の中に全部沈めて止めました。受ける浮力が大きいのはどちらですか。

答え

同じです。浮力 F浮 = ρVg は、液体の密度と、液体の中にある部分の体積だけで決まるからです。

例題

体積 2.0 × 10⁻³ m³ の物体を、水の中に全部沈めました。物体が受ける浮力の大きさを求めなさい。水の密度は 1.0 × 10³ kg/m³、重力加速度の大きさは 9.8 m/s² とします。

  1. 全部沈めたので、水の中にある部分の体積は、物体の体積と同じ V = 2.0 × 10⁻³ m³ です。
  2. F浮 = ρVg = 1.0 × 10³ × 2.0 × 10⁻³ × 9.8 です。
  3. 10³ × 10⁻³ = 1 なので、F浮 = 1.0 × 2.0 × 9.8 = 19.6 N です。
  4. 2 桁に丸めて、20 N です。

答え: 約 20 N

4浮力と力のつり合い

水の中で止まっている物体では、上向きの力の大きさの合計と、下向きの力の大きさの合計が等しくなります。浮力も、その上向きの力の1つです。

水の中の物体には、地球が物体を引く力(重力)mg が、下向きにはたらきます。水からは、上向きの浮力 F浮 を受けます。ほかに、物体が触れている物(糸、水そうの底など)からも力を受けます。

止まっている物体にはたらく力は、つり合っています。合力が 0 です。このページでは、正の向きを決めずに、「上向きの力の大きさの合計 = 下向きの力の大きさの合計」と書きます。

スタンドにばねはかりをつるし、その下に糸で直方体のおもりをつるします。おもりの質量は 1.5 kg、底面積は 0.010 m²、高さは 0.10 m です。おもりにはたらく重力は、mg = 1.5 × 9.8 = 14.7 N です。糸は軽い糸(重さを考えない糸)とします。糸がおもりを引く力(張力)を T とします。T は、ばねはかりの読みと同じ大きさです。水に入れる前、おもりにはたらく力は T と mg だけなので、ばねはかりの読みは 14.7 N です。

おもりを下ろして、下から 0.060 m の所まで水に沈めます。水の中にある部分の体積は、V = 0.010 × 0.060 = 0.00060 m³ です。10⁻⁴ = 0.0001 なので、6.0 × 10⁻⁴ m³ と書きます。浮力は、F浮 = ρVg = 1.0 × 10³ × 6.0 × 10⁻⁴ × 9.8 です。10³ × 10⁻⁴ = 1000 × 0.0001 = 0.1 なので、F浮 = 6.0 × 0.1 × 9.8 = 5.88 N です。

上向きの力は T と F浮、下向きの力は mg です。上向きの合計 = 下向きの合計なので、T + F浮 = mg です。T = mg − F浮 = 14.7 − 5.88 = 8.82 ≒ 8.8 N です。ばねはかりの読みは、水に入れる前より浮力の分(約 5.9 N)だけ小さくなります。

水に浮かんで止まっている物体にはたらく力は、重力 mg と浮力 F浮 の2つだけです。だから、F浮 = mg です。このとき、ρVg の V は、物体のうち水面より下にある部分の体積です。水面の上に出ている部分は、水を押しのけていないので、入れません。

たとえば、質量 0.50 kg の物体が浮かんで止まっているとき、F浮 = mg = 0.50 × 9.8 = 4.9 N です。ρVg = 4.9 から、V = 4.9 ÷ (1.0 × 10³ × 9.8) = 5.0 × 10⁻⁴ m³ です。物体のうち 5.0 × 10⁻⁴ m³ が、水の中にあります。

項目2で、1 m³ あたりの質量を密度といいました。式で書くと次のようになります。

ρ = mV
m は物体の質量(kg)、V は物体の体積(m³)です。

物体の質量は、密度 × 体積で求められます。物体の密度が水の密度より小さいと、物体は水に浮きます。たとえば、氷の密度は約 0.92 × 10³ kg/m³ で、水の 1.0 × 10³ kg/m³ より小さいので、氷は水に浮きます。

スタンドの腕からばねはかりをつるし、その下に糸で質量1.5キログラムの直方体のおもりをつるして、水そうの水に沈める図。糸とおもりは離して描き、点線でつないでいる。おもりの右に、水面を 0 として下へ 0 から 0.10 メートルの物差し。おもりの中心から下向きに重力 mg の赤い矢印、おもりの上の面から上向きに糸がおもりを引く力 T の藍の実線の矢印、水の中にある部分の真ん中から上向きに浮力の藍の破線の矢印。矢印の長さは力の大きさに比例する ばねはかり 糸とおもりを離して描いています 1.5 kg 水の中にある部分 重力 mg 糸がおもりを引く力 T 浮力 F浮 浮力は 0

藍の実線は糸がおもりを引く力(ばねはかりの読みと同じ大きさ)、藍の破線は浮力、赤は重力です。糸とおもりは離して描き、点線でつないでいます。

重力の大きさ mg N 浮力の大きさ F浮 N ばねはかりの読み T N

やってみよう

水に沈んだ深さを 0.040 m にしてください。次に、0.10 m(おもりが全部沈んだ所)に変えてください。浮力 F浮 とばねはかりの読み T は、それぞれいくつからいくつになりましたか。

分かること

浮力は 3.92 N から 9.80 N に、ばねはかりの読みは 10.78 N から 4.90 N になりました。浮力が増えた分だけ、読みが減っています。

確認

おもりが全部沈んだ後、底に触れないまま、さらに深く下ろしました。ばねはかりの読みは変わりますか。

答え

変わりません。全部沈んだ後は、深さを変えても浮力が同じだからです。

例題

密度 0.75 × 10³ kg/m³、体積 1.0 × 10⁻³ m³ の木片が、水に浮かんで止まっています。木片のうち、水の中にある部分の体積を求めなさい。水の密度は 1.0 × 10³ kg/m³、重力加速度の大きさは 9.8 m/s² とします。

  1. 木片の質量は、密度 × 体積 = 0.75 × 10³ × 1.0 × 10⁻³ = 0.75 kg です。
  2. 木片の重力は、mg = 0.75 × 9.8 = 7.35 N です。
  3. 浮かんで止まっているので、F浮 = mg = 7.35 N です。
  4. 水の中にある部分の体積を V とすると、F浮 = ρVg から、1.0 × 10³ × V × 9.8 = 7.35 です(ρ は水の密度)。
  5. V = 7.35 ÷ (1.0 × 10³ × 9.8) = 7.5 × 10⁻⁴ m³ です。

答え: 7.5 × 10⁻⁴ m³

練習問題

重力加速度の大きさは 9.8 m/s²、水の密度は 1.0 × 10³ kg/m³、大気圧は 1.0 × 10⁵ Pa とします。糸は軽い糸とします。

パターン1 圧力と水圧

問1水面から深さ 3.0 m の所の水圧を求めなさい。

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約 1.3 × 10⁵ Pa

水の重さによる圧力は、ρhg = 1.0 × 10³ × 3.0 × 9.8 = 29.4 × 10³ = 2.94 × 10⁴ Pa。10 の累乗をそろえて 0.294 × 10⁵ Pa。p = p0 + ρhg = 1.0 × 10⁵ + 0.294 × 10⁵ = 1.294 × 10⁵ ≒ 1.3 × 10⁵ Pa

問2水圧が、大気圧の2倍(2.0 × 10⁵ Pa)になるのは、水面から何 m の深さですか。

答えを見る

約 10 m

p0 + ρhg = 2p0 なので、ρhg = p0 = 1.0 × 10⁵ Pa。1.0 × 10³ × h × 9.8 = 1.0 × 10⁵ から、h = 1.0 × 10⁵ ÷ (1.0 × 10³ × 9.8) = 100 ÷ 9.8 = 10.2… ≒ 10 m

パターン2 浮力の大きさ

問3体積 3.0 × 10⁻⁴ m³ の石を、水の中に全部沈めました。石が受ける浮力の大きさを求めなさい。

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約 2.9 N

全部沈めたので、水の中にある部分の体積は V = 3.0 × 10⁻⁴ m³。F浮 = ρVg = 1.0 × 10³ × 3.0 × 10⁻⁴ × 9.8。10³ × 10⁻⁴ = 1000 × 0.0001 = 0.1 なので、F浮 = 3.0 × 0.1 × 9.8 = 2.94 ≒ 2.9 N

問4密度 0.80 × 10³ kg/m³ の油の中に、体積 50 cm³ の金属のおもりを全部沈めました。おもりが受ける浮力の大きさを求めなさい(1 m = 100 cm です)。

答えを見る

約 0.39 N

体積を m³ に直す。1 m = 100 cm なので、1 m³ = 100 cm × 100 cm × 100 cm = 1.0 × 10⁶ cm³。逆に、1 cm³ = 1.0 × 10⁻⁶ m³(10⁻⁶ は 1 ÷ 1,000,000)。50 cm³ = 50 × 10⁻⁶ m³ = 5.0 × 10⁻⁵ m³。浮力の式の ρ は、液体(油)の密度を使う。F浮 = ρVg = 0.80 × 10³ × 5.0 × 10⁻⁵ × 9.8。0.80 × 5.0 = 4.0、10³ × 10⁻⁵ = 1000 × 0.00001 = 0.01 なので、F浮 = 4.0 × 0.01 × 9.8 = 0.392 ≒ 0.39 N

パターン3 浮力と力のつり合い

問5質量 1.5 kg、底面積 0.010 m²、高さ 0.10 m の直方体のおもりを、ばねはかりで糸でつるしました。おもりを、下から 0.080 m の所まで水に沈めて止めました。おもりが受ける浮力の大きさと、ばねはかりの読みを求めなさい。

答えを見る

浮力 約 7.8 N、ばねはかりの読み 約 6.9 N

水の中にある部分の体積は V = 0.010 × 0.080 = 8.0 × 10⁻⁴ m³。F浮 = 1.0 × 10³ × 8.0 × 10⁻⁴ × 9.8 = 7.84 ≒ 7.8 N。重力は mg = 1.5 × 9.8 = 14.7 N。上向きの合計 = 下向きの合計から、T + F浮 = mg。T = 14.7 − 7.84 = 6.86 ≒ 6.9 N

問6密度 0.80 × 10³ kg/m³、体積 2.0 × 10⁻³ m³ の木片が、水に浮かんで止まっています。木片のうち、水面の上に出ている部分の体積は、木片全体の体積の何 % ですか。

答えを見る

20 %

木片の質量は、密度 × 体積 = 0.80 × 10³ × 2.0 × 10⁻³ = 1.6 kg。重力は mg = 1.6 × 9.8 = 15.68 N。浮かんで止まっているので F浮 = mg = 15.68 N。水の中にある部分の体積を V とすると、1.0 × 10³ × V × 9.8 = 15.68 から、V = 15.68 ÷ (1.0 × 10³ × 9.8) = 1.6 × 10⁻³ m³。水面の上に出ている部分は 2.0 × 10⁻³ − 1.6 × 10⁻³ = 0.40 × 10⁻³ m³。割合は 0.40 × 10⁻³ ÷ (2.0 × 10⁻³) = 0.20 で、20 %

つまずきやすいところ

まとめ

公式

圧力p = FSF は面を垂直に押す力、S は面積です。単位は Pa(= N/m²)。
水圧p = p0 + ρhgp0 は大気圧、ρ は水の密度、h は水面からの深さです。
浮力F浮 = ρVgρ は液体の密度、V は液体の中にある部分の体積です。
密度ρ = mVm は物体の質量、V は物体の体積です。

物理基礎 第2章 力と運動の法則

  1. 力の合成と分解(作図)
  2. 力の合成と分解(三角比)
  3. 重力と弾性力
  4. 垂直抗力・張力・摩擦力
  5. 力のつり合いと作用・反作用
  6. 運動の法則
  7. 斜面上の運動
  8. 2つの物体の運動
  9. 摩擦と運動
  10. 摩擦と運動(2)
  11. 運動方程式の応用
  12. 運動方程式の応用(2)
  13. 空気抵抗と終端速度
  14. 圧力と浮力

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