ゼロからの高校物理 / 物理基礎 / 力と運動の法則

重力と弾性力

要点

重力重力の大きさ = mgm は質量、g は重力加速度の大きさ(地球では 9.8 m/s²)です。
弾性力F = kxx は、自然の長さからの伸び、または縮みです。
つるしたおもりkx = mgおもりが止まっているとき。
直列につなぐどちらのばねにも、同じ大きさの力がかかるばねの重さを考えないとき。
並列につなぐどちらのばねも同じだけ伸び、力を分け合う下の棒が水平のまま下がるとき。

1重力と質量

地球が物体を引く力を重力といいます。質量 m の物体にはたらく重力の大きさは mg です。

手に持ったボールを離すと、ボールは下へ落ちます。これは、地球がボールを下へ引いているからです。地球が物体を引く力を重力といいます。重力は、物体が地面や手に触れていなくてもはたらきます。重力の向きは鉛直下向き(真下の向き)です。重力は物体のあらゆる部分にはたらきますが、図では、物体の中心から下向きに1本の矢印で描きます。

物体そのものの量を質量といいます。単位は kg(キログラム)です。

重力の大きさは、物体の質量に比例します。地球の上では、質量 1.0 kg の物体にはたらく重力の大きさは 9.8 N です。質量が 1.0 kg 増えるごとに、重力の大きさは 9.8 N ずつ大きくなります。だから、重力の大きさは「質量 × 9.8」で求められます。これを式で書きます。

重力の大きさ = mg
単位は、重力の大きさが N、m が kg、g が m/s² です。

m は質量です。英語の mass の頭文字です。g は重力加速度の大きさです。物体が空気の抵抗を受けずに落ちるとき、速さは 1 秒ごとに 9.8 m/s ずつ増えます。この増え方が 9.8 m/s² で、記号 g で表します。mg は m × g のことです。

物理では、物体にはたらく重力の大きさを重さといいます。単位は N です。ふだん「体重 50 kg」のように kg で言う量は、物理では質量のほうです。質量(kg)と重さ(N)は、別の量です。

月の表面では、物体は地球よりゆっくり落ちます。月の表面での重力加速度の大きさは約 1.6 m/s² で、地球の約 1/6 です。月の表面で重力の大きさ mg を求めるときは、g に 1.6 m/s² を入れます。質量 1.0 kg の物体を月へ持っていっても、質量は 1.0 kg のままです。重さは、mg = 1.0 × 1.6 = 1.6 N になります。地球の上の 9.8 N より小さくなります。

地面より上の空中にある箱と、箱の中心から鉛直下向きに描いた重力 mg の赤い矢印。矢印の長さは重力の大きさに比例する 地面(地球) m 重力 mg

赤い矢印が、箱にはたらく重力です。

質量 m kg 重力加速度の大きさ g m/s² 重力の大きさ mg N

やってみよう

質量 m を 2.0 kg にしてください(場所は「地球」)。次に、場所の「月」のボタンを押してください。質量 m と重力の大きさ mg のうち、変わったのはどちらですか。変わったほうは、いくつからいくつになりましたか。

分かること

変わったのは重力の大きさ mg で、19.6 N から 3.2 N になりました。質量 m は 2.0 kg のままです。

確認

手を離して空中を落ちているボールに、重力ははたらいていますか。

答え

はたらいています。重力は、物体が何にも触れていなくてもはたらきます。

例題

質量 0.50 kg のボールにはたらく重力の大きさを求めなさい。重力加速度の大きさは 9.8 m/s² とします。

  1. 質量は m = 0.50 kg、重力加速度の大きさは g = 9.8 m/s² です。
  2. 重力の大きさは、mg = 0.50 × 9.8 = 4.9 N です。

答え: 4.9 N

2弾性力とフックの法則

伸びたり縮んだりしたばねが、もとの長さに戻ろうとして出す力を弾性力といいます。弾性力の大きさは F = kx で求めます。

横向きのばねの左の端を、壁に固定します。右の端は、あなたの手で持ちます。手で右の端を右へ引くと、ばねは伸びて、手を左へ引き戻します。手で右の端を左へ押すと、ばねは縮んで、手を右へ押し返します。

伸びたり縮んだりしたばねが、もとの長さに戻ろうとして、触れている物に加える力を弾性力といいます。弾性力の向きは、ばねがもとの長さに戻ろうとする向きです。伸びたばねは縮む向きに引き、縮んだばねは伸びる向きに押します。

ばねに何も力を加えないときの長さを、ばねの自然の長さといいます。自然の長さより長くなった分を伸び、短くなった分を縮みといいます。伸び = 今の長さ − 自然の長さ、縮み = 自然の長さ − 今の長さ です。たとえば、自然の長さ 0.30 m のばねを引いて、長さを 0.40 m にすると、伸びは 0.40 − 0.30 = 0.10 m です。

伸びと縮みは、どちらも記号 x で表します。このページの x は、位置ではありません。ばねの伸び、または縮みです。x は 0 以上の数で書き、伸びか縮みかは言葉で言います。

あるばねを少しずつ伸ばして、弾性力の大きさを調べました。

伸び x [m]0.0500.100.150.20
弾性力の大きさ [N]1.02.03.04.0

伸びが 0.050 m から2倍・3倍・4倍になると、弾性力も 1.0 N から2倍・3倍・4倍になります。弾性力の大きさは、伸びに比例します。

伸び 1 m あたりの力を求めます。0.10 m 伸ばして 2.0 N なので、2.0 ÷ 0.10 = 20 N/m です。この「伸び 1 m あたりの力の大きさ」を、ばねのばね定数といい、記号 k で表します。単位は N/m で、「ニュートン毎メートル」と読みます。表のばねのばね定数は k = 20 N/m です。k が大きいばねほど硬く、同じだけ伸ばすのに大きな力が要ります。

弾性力の大きさは、ばね定数 × 伸び で求められます。

F = kx
F は弾性力の大きさ(N)、k はばね定数(N/m)、x は自然の長さからの伸び、または縮み(m)です。kx は k × x のことです。

これをフックの法則といいます。フックの法則は、ばねを伸ばしすぎない(縮めすぎない)範囲で成り立ちます。このページのばねは、どれもその範囲で使います。表のばねを 0.15 m 伸ばすと、F = 20 × 0.15 = 3.0 N です。表の値と同じです。

ばねを縮めたときも、同じ式を使います。x には縮みを入れます。表のばねを 0.10 m 縮めると、F = 20 × 0.10 = 2.0 N です。向きは、手を右へ押し返す向きです。

左の壁に固定した横向きのばねの右の端をあなたの手が持つ図。ばねの下に壁を 0 とした 0 から 0.50 メートルの物差し、0.30 メートルの所に自然の長さの破線、ばねの少し上に、ばねが手に加える弾性力の藍の矢印 自然の長さ あなたの手 伸び x 弾性力(ばねが手を引く) 弾性力は 0

藍の矢印は、ばねが手に加える弾性力です。破線が、自然の長さのときのばねの右の端の位置です。

ばねの長さ m 伸び・縮み x 弾性力の大きさ F N

やってみよう

ばね定数 k を 40 N/m にし、手の位置を「伸び 0.10 m」にしてください。次に、手の位置を「伸び 0.20 m」に変えてください。弾性力の大きさ F は何 N から何 N になり、何倍になりましたか。

分かること

F は 4.0 N から 8.0 N になり、2倍になりました。

確認

自然の長さ 0.30 m のばねを引いて、長さを 0.50 m にしました。F = kx の x に入れるのは 0.50 m ですか。

答え

いいえ。x は伸びなので、0.50 − 0.30 = 0.20 m を入れます。

例題

自然の長さ 0.30 m、ばね定数 40 N/m のばねの左の端を壁に固定し、右の端を手で押して、長さを 0.25 m まで縮めました。ばねが手に加える弾性力の大きさと向きを答えなさい。

  1. 縮みは、x = 自然の長さ − 今の長さ = 0.30 − 0.25 = 0.050 m です。
  2. F = kx に入れて、F = 40 × 0.050 = 2.0 N です。
  3. ばねは縮んでいるので、伸びる向き(右向き)に戻ろうとします。弾性力は、手を右へ押し返す向きです。

答え: 大きさ 2.0 N、向きは右向き(手を押し返す向き)

3伸びと力のグラフ

伸び x と弾性力の大きさ F のグラフは、原点を通る直線になります。その傾きが、ばね定数 k です。

ばね定数 30 N/m のばねで、伸びと弾性力の大きさを表にします。F = kx で、たとえば 0.10 m なら F = 30 × 0.10 = 3.0 N です。

伸び x [m]00.100.200.30
弾性力の大きさ F [N]03.06.09.0

横軸に伸び x、縦軸に弾性力の大きさ F をとったグラフに、表の4つの組を点で打ちます。たとえば、表の x = 0.10 m の列は、横に 0.10 m、縦に 3.0 N の所に打ちます。この点を (0.10 m, 3.0 N) と書きます。

点 (0.10 m, 3.0 N) は、「このばねを 0.10 m 伸ばしたとき、弾性力の大きさは 3.0 N」という意味です。点 (0, 0) は、「伸びが 0(自然の長さ)のとき、弾性力は 0」という意味です。

4つの点は、原点を通る1本の直線に乗ります。弾性力の大きさが伸びに比例するからです。中学の数学で習った、比例のグラフと同じ形です。

線の上で、横に 0.10 m 進むと、縦に 3.0 N 上がります。横に進んだ分に対する、縦に上がった分の割合を、線の傾きといいます。傾き = 縦 ÷ 横 です。この線の傾きは、3.0 ÷ 0.10 = 30 N/m です。ばね定数 k = 30 N/m と同じです。F = kx なので、F ÷ x はいつも k になります。だから、グラフの傾きはばね定数です。

横軸が伸び x(0 から 0.30 メートル)、縦軸が弾性力の大きさ F(0 から 18 ニュートン)のグラフ。原点を通る藍の直線 F = kx、今の伸びの点、傾きを示す破線の三角形 伸び x [m] F [N] F = kx 横 0.10 m 縦 3.0 N (0.10 m, 3.0 N)

藍の線が、伸びと弾性力の大きさの関係です。破線の三角形の「縦 ÷ 横」が、線の傾きです。

伸び x m 弾性力の大きさ F N 傾き

やってみよう

伸び x を 0.25 m にし、ばね定数 k を 30 N/m にしてください。次に、k を 60 N/m に変えてください。線の傾きはどう変わりましたか。伸び 0.25 m のときの F は、何 N から何 N になりましたか。

分かること

線の傾きが急になりました(30 N/m から 60 N/m)。F は 7.5 N から 15.0 N になりました。

確認

伸びと力のグラフの線が急なばねと、ゆるやかなばねを、同じ大きさの力で引きました。よく伸びるのはどちらですか。

答え

グラフの線がゆるやかなほうです。傾き(ばね定数 k)が小さく、やわらかいばねだからです。

例題

あるばねの伸び x と弾性力の大きさ F のグラフは、原点と点 (0.40 m, 8.0 N) を通る直線です。このばねのばね定数を求めなさい。また、このばねを 0.25 m 伸ばしたときの弾性力の大きさを求めなさい。

x [m] F [N] (0.40 m, 8.0 N)
  1. グラフの傾きがばね定数です。原点から点 (0.40 m, 8.0 N) まで、横に 0.40 m、縦に 8.0 N 進みます。
  2. k = 縦 ÷ 横 = 8.0 ÷ 0.40 = 20 N/m です。
  3. 0.25 m 伸ばしたときは、F = kx = 20 × 0.25 = 5.0 N です。

答え: ばね定数 20 N/m、弾性力の大きさ 5.0 N

4ばねにおもりをつるす

ばねにつるしたおもりが止まっているとき、ばねがおもりを引く弾性力 kx と、おもりの重力 mg は同じ大きさです。

ばねの上の端を天井に付け、下の端におもりをつるします。おもりは少し上下に揺れたあと、止まります。止まったときのばねの伸びを考えます。

止まっているおもりには、2つの力がはたらいています。1つ目は重力です。向きは下向きで、大きさは mg です。2つ目は、ばねがおもりを引く弾性力です。ばねは伸びているので、縮もうとして、おもりを上向きに引きます。大きさは kx です。

おもりが止まっているとき、おもりにはたらく力の合力は 0 です。上向きの力と下向きの力の2つを合わせて 0 になるのは、2つの大きさが同じときです。だから、ばねの弾性力の大きさ kx と、重力の大きさ mg は等しくなります。

kx = mg
おもりが止まっているとき。k はばね定数、x はばねの伸び、m はおもりの質量、g は重力加速度の大きさです。

ばね定数 49 N/m のばねに、質量 0.50 kg のおもりをつるします。重力の大きさは、mg = 0.50 × 9.8 = 4.9 N です。kx = mg なので、49 × x = 4.9 です。x = 4.9 ÷ 49 = 0.10 m です。ばねは 0.10 m 伸びて止まります。

天井からつるしたばねの下の端におもりを付けた図。おもりの中心から下向きに重力 mg の赤い矢印、ばねの下の端から上向きに弾性力 kx の藍の矢印。ばねの右に、自然の長さのときのばねの下の端を 0 とした、下向きに 0 から 0.20 メートルの物差し 自然の長さ m 重力 mg 弾性力 kx

赤い矢印がおもりにはたらく重力、藍の矢印がばねがおもりを引く弾性力です。物差しの 0 は、自然の長さのときのばねの下の端の高さです。

重力の大きさ mg N 弾性力の大きさ kx N 伸び x m

やってみよう

ばね定数の「98 N/m」のボタンを押し、おもりの質量 m を 0.50 kg にしてください。次に、m を 1.0 kg に変えてください。伸び x はいくつからいくつになり、何倍になりましたか。

分かること

x は 0.050 m から 0.10 m になり、2倍になりました。おもりの質量を2倍にすると、重力も伸びも2倍になります。

確認

ばねにつるしたおもりが止まっているとき、ばねがおもりを引く弾性力と、おもりにはたらく重力は、どちらが大きいですか。

答え

同じ大きさです。止まっているおもりでは、上向きの弾性力と下向きの重力を合わせると 0 になるからです。

例題

ばね定数 49 N/m のばねに、質量 0.30 kg のおもりをつるしたところ、おもりは止まりました。ばねの伸びを求めなさい。重力加速度の大きさは 9.8 m/s² とします。

  1. おもりの重力の大きさは、mg = 0.30 × 9.8 = 2.94 N です(途中の値なので丸めません)。
  2. おもりが止まっているので、kx = mg です。49 × x = 2.94 です。
  3. x = 2.94 ÷ 49 = 0.060 m です。

答え: 0.060 m

5ばねの連結

2本のばねを直列につなぐと、どちらのばねにも同じ大きさの力がかかります。並列につなぐと、どちらのばねも同じだけ伸び、力を分け合います。

ばね定数 49 N/m の同じばねを2本と、質量 0.40 kg のおもりを使います。おもりの重力の大きさは、mg = 0.40 × 9.8 = 3.92 N です。ばね1本につるすと、項目4の kx = mg から、伸びは x = 3.92 ÷ 49 = 0.080 m です。このページでは、ばねの重さは考えません。重さを考えないばねを軽いばねといいます。軽いばねは、上の端と下の端が、同じ大きさの力で引かれます。

2本のばねを、縦に1列につなぎます。上のばねの下の端に、下のばねの上の端を付けます。このつなぎ方を直列(ちょくれつ)といいます。下のばねは、おもりをつるしています。下のばねの下の端は、おもりに 3.92 N で引かれています。ばねの端を引く力を、ばねにかかる力といいます。下のばねにかかる力は 3.92 N なので、伸びは F = kx から 3.92 ÷ 49 = 0.080 m です。上のばねは、下のばねとおもりをまとめてつるしています。下のばねは軽いので、上のばねにかかる力も 3.92 N です。伸びも 0.080 m です。全体の伸びは、0.080 + 0.080 = 0.16 m です。ばね1本のときの2倍です。

2本のばねを横に並べて、上の端をどちらも天井に付けます。下の端を軽い棒でつなぎ、棒の真ん中におもりをつるします。このつなぎ方を並列(へいれつ)といいます。棒は水平のまま下がるので、2本のばねは同じだけ伸びます。2本のばねは、どちらも棒を上へ引きます。項目4と同じく、おもりと棒は止まっているので、2本の弾性力の大きさの合計が、重力の大きさ mg と等しくなります。2本は同じばねで、同じだけ伸びているので、弾性力の大きさも同じです。1本あたり 3.92 ÷ 2 = 1.96 N です。1本の伸びは、1.96 ÷ 49 = 0.040 m です。2本は同じだけ伸びるので、全体の伸びも 0.040 m です。ばね1本のときの半分です。

直列では、先にそれぞれのばねにかかる力を考え、次に F = kx からそれぞれの伸びを求めます。並列では、先に「どのばねも同じだけ伸びる」ことを使います。ばね定数がちがう2本でも、棒が水平なら同じだけ伸びます。伸びを x とすると、2本の弾性力は k が大きいほうが大きくなり、その合計が mg になります。

ばね定数 49 ニュートン毎メートルの同じばねを、1本、直列、並列のつなぎ方で天井からつるし、下におもりを付けた図。おもりの中心から下向きに重力 mg の赤い矢印。右に、自然の長さのときの全体の下の端を 0 とした、下向きに 0 から 0.40 メートルの物差し 自然の長さ 上のばね 下のばね m 重力 mg

ばねはどれも、ばね定数 49 N/m の同じ軽いばねです。物差しの 0 は、自然の長さのときの全体の下の端の高さです。

ばねにかかる力 N ばねの伸び m 全体の伸び m

やってみよう

おもりの質量 m を 1.0 kg にしてください。つなぎ方の「1本」「直列」「並列」のボタンを順に押して、全体の伸びを読んでください。それぞれいくつですか。

分かること

1本で 0.20 m、直列で 0.40 m、並列で 0.10 m です。

確認

同じばね2本を直列につないで、おもりをつるしました。上のばねにかかる力は、おもりの重力の半分ですか。

答え

いいえ。上のばねにも、おもりの重力と同じ大きさの力がかかります。

例題

ばね定数 20 N/m のばねを上に、ばね定数 40 N/m のばねを下にして直列につなぎ、重力の大きさが 4.0 N のおもりをつるしたところ、おもりは止まりました。全体の伸びを求めなさい。ばねは軽いばねとします。

  1. 直列なので、どちらのばねにも、おもりの重力と同じ 4.0 N の力がかかります。
  2. 上のばねの伸びは、F = kx から x = 4.0 ÷ 20 = 0.20 m です。
  3. 下のばねの伸びは、x = 4.0 ÷ 40 = 0.10 m です。
  4. 全体の伸びは、0.20 + 0.10 = 0.30 m です。

答え: 0.30 m

練習問題

重力加速度の大きさは 9.8 m/s² とします。ばねはどれも軽いばね(重さを考えないばね)とします。

パターン1 フックの法則とグラフ

問1自然の長さ 0.30 m、ばね定数 50 N/m のばねがあります。ばねの左の端を壁に固定し、右の端をあなたの手で引いて、ばねの長さを 0.45 m にしました。ばねが手を引く弾性力の大きさを求めなさい。

答えを見る

7.5 N

伸びは x = 0.45 − 0.30 = 0.15 m。F = kx = 50 × 0.15 = 7.5 N

問2次のグラフは、ばね A とばね B の、伸び x と弾性力の大きさ F の関係を表しています。2本のばねを、どちらも 6.0 N の力で引きました。ばね B の伸びは、ばね A の伸びより何 m 大きいですか。

x [m] F [N] A B
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0.15 m

グラフの傾きがばね定数。A は (0.20 m, 8.0 N) を通るので kA = 8.0 ÷ 0.20 = 40 N/m。B は (0.20 m, 4.0 N) を通るので kB = 4.0 ÷ 0.20 = 20 N/m。6.0 N で引いたときの伸びは、F = kx から x = F ÷ k。A は 6.0 ÷ 40 = 0.15 m、B は 6.0 ÷ 20 = 0.30 m。差は 0.30 − 0.15 = 0.15 m

パターン2 ばねにおもりをつるす

問3ばね定数 98 N/m のばねに、質量 0.20 kg のおもりをつるしたところ、おもりは止まりました。ばねの伸びを求めなさい。

答えを見る

0.020 m

重力の大きさは mg = 0.20 × 9.8 = 1.96 N。止まっているので kx = mg。98 × x = 1.96 から、x = 1.96 ÷ 98 = 0.020 m

問4自然の長さ 0.30 m のばねに、質量 0.40 kg のおもりをつるしたところ、ばねの長さは 0.38 m になって止まりました。
(1) このばねのばね定数を求めなさい。
(2) 質量 0.20 kg のおもりを、もう1つ付け足しました。止まったときのばねの長さを求めなさい。

答えを見る

(1) 49 N/m (2) 0.42 m

(1) 伸びは x = 0.38 − 0.30 = 0.080 m。重力の大きさは mg = 0.40 × 9.8 = 3.92 N。kx = mg から k = 3.92 ÷ 0.080 = 49 N/m。(2) おもりの質量は合わせて 0.40 + 0.20 = 0.60 kg。重力の大きさは 0.60 × 9.8 = 5.88 N。伸びは x = 5.88 ÷ 49 = 0.12 m。ばねの長さは 0.30 + 0.12 = 0.42 m

パターン3 ばねの連結

問5ばね定数 49 N/m の同じばね2本を直列につなぎ、質量 0.80 kg のおもりをつるしたところ、おもりは止まりました。それぞれのばねの伸びと、全体の伸びを求めなさい。

答えを見る

それぞれのばねの伸び 0.16 m、全体の伸び 0.32 m

重力の大きさは mg = 0.80 × 9.8 = 7.84 N。直列なので、どちらのばねにも 7.84 N の力がかかる。それぞれの伸びは x = 7.84 ÷ 49 = 0.16 m。全体の伸びは 0.16 + 0.16 = 0.32 m

問6ばね定数 49 N/m のばね A と、ばね定数 98 N/m のばね B を、上の端をどちらも天井に付けて並べ、下の端を軽い棒でつなぎました。棒が水平のまま下がるように、棒のある位置に質量 0.60 kg のおもりをつるしたところ、おもりは止まりました。
(1) ばねの伸びを求めなさい。
(2) ばね A とばね B にかかる力の大きさを、それぞれ求めなさい。

答えを見る

(1) 0.040 m (2) A 約 2.0 N、B 約 3.9 N

(1) 棒が水平なので、A と B は同じだけ伸びる。その伸びを x とする。A の弾性力は 49x、B の弾性力は 98x。2本の弾性力の合計が重力の大きさ mg = 0.60 × 9.8 = 5.88 N と等しいので、49x + 98x = 5.88。147x = 5.88 から x = 5.88 ÷ 147 = 0.040 m。(2) A は 49 × 0.040 = 1.96 ≒ 2.0 N、B は 98 × 0.040 = 3.92 ≒ 3.9 N(2 桁に丸める)。合計 1.96 + 3.92 = 5.88 N で、重力の大きさと等しい

つまずきやすいところ

まとめ

要点

重力重力の大きさ = mgm は質量、g は重力加速度の大きさ(地球では 9.8 m/s²)です。
弾性力F = kxx は、自然の長さからの伸び、または縮みです。
つるしたおもりkx = mgおもりが止まっているとき。
直列につなぐどちらのばねにも、同じ大きさの力がかかるばねの重さを考えないとき。
並列につなぐどちらのばねも同じだけ伸び、力を分け合う下の棒が水平のまま下がるとき。

物理基礎 第2章 力と運動の法則

  1. 力の合成と分解(作図)
  2. 力の合成と分解(三角比)
  3. 重力と弾性力
  4. 垂直抗力・張力・摩擦力
  5. 力のつり合いと作用・反作用
  6. 運動の法則
  7. 斜面上の運動
  8. 2つの物体の運動
  9. 摩擦と運動
  10. 摩擦と運動(2)
  11. 運動方程式の応用
  12. 運動方程式の応用(2)
  13. 空気抵抗と終端速度
  14. 圧力と浮力

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