ゼロからの高校物理 / 物理 / 円運動と単振動

等速円運動

公式

周期T = 2πrv1 周する時間です。回転数は n = 1/T です。
角速度ω = θtθ はラジアンで測った角です。
速さと角速度v = rω、T = 2πω
向心加速度a = rω2 = v2r円の中心を向きます。

1等速円運動と周期

円の上を一定の速さで回る運動を等速円運動といい、1 周する時間を周期といいます。

遊園地のメリーゴーラウンドを考えます。床は、上から見て反時計回りに、一定の速さで回っています。あなたは、床の中心から 2.0 m の所に立っています。友だちも、同じ床の上に立っています。床と一緒に回るあなたは、中心から 2.0 m の円の上を、同じ速さで回り続けます。このように、円の上を一定の速さで回る運動を等速円運動といいます。

遊園地のメリーゴーラウンドを斜め上から見た絵。床は1周6.0秒で反時計回りに回り、中心から2.0メートルの所にあなた、中心を挟んだ反対側に友だちが立っている 2.0 m あなた 友だち 1 周 6.0 s

この床は、1 周するのに 6.0 s かかります。床の上に立っていれば、中心からどれだけ離れていても、床と一緒に 6.0 s で 1 周します。1 周するのにかかる時間を周期といい、記号 T で表します。単位は s です。メリーゴーラウンドの周期は T = 6.0 s です。

円の半径を、記号 r で表します。あなたの円では r = 2.0 m です。1 周の道のりは、円周の長さです。中学校で習ったように、円周の長さは 2πr です。π(パイ)は円周率です。このページでは π = 3.14 として計算します。あなたが 1 周で進む道のりは、2 × 3.14 × 2.0 = 12.56 m です(速さを出すための途中の値なので、ここでは丸めません)。

あなたは、6.0 s で 12.56 m 進みます。速さは道のり ÷ 時間なので、12.56 ÷ 6.0 = 2.09… m/s です。与えた数(2.0 m、6.0 s)が 2 桁なので、答えも 2 桁に丸めて、≒ 2.1 m/s と書きます。1 周の道のり 2πr を、周期 T で割れば速さになります。

v = 2πrT

この式を T について書き直すと、T = 2πrv です。

1 s あたりに回る回数を回転数といい、記号 n で表します。単位は 回/s です。1 周に 6.0 s かかるなら、1 s では 1/6.0 周しか回りません。だから、回転数は n = 1 ÷ 6.0 = 0.166… ≒ 0.17 回/s です。回転数と周期は、n = 1T の関係です。

下の図で、友だちの立つ位置を変えると、1 周の道のりと速さがどう変わるかを確かめます。

1周6.0秒で回るメリーゴーラウンドの床を上から見た図。中心から2.0メートルの所にあなた、反対側のつまみで決めた位置に友だちが立ち、友だちの1周の道のりと速さを表示する 床(1 周 6.0 s) 回る向き 中心 あなた 友だち

床は 1 周 6.0 s で回ります。あなたは中心から 2.0 m の所にいて、速さは 2.1 m/s です。

友だちの 1 周の道のり 友だちの速さ

やってみよう

友だちの立つ位置を変えて、友だちの速さが、あなたの速さ 2.1 m/s の 2 倍(4.2 m/s)になる位置を探してください。そのとき、友だちの 1 周の道のりは、あなたの 1 周の道のり 12.56 m の何倍ですか。

分かること

4.0 m の所です。1 周の道のりは 25.12 m で、あなたの 2 倍です。2 人は同じ 6.0 s で 1 周するので、道のりが 2 倍なら速さも 2 倍になります。

確認

あなたがメリーゴーラウンドのちょうど中心に立ったら、あなたの速さはいくつですか。

答え

0 m/s です。半径が 0 なので、1 周の道のりも 0 です。

例題

回転する遊具の座席が、中心から 4.0 m の所を、1 周 5.0 s の一定の速さで回っています。座席の速さと、回転数を求めなさい。

  1. 1 周の道のりは、2πr = 2 × 3.14 × 4.0 = 25.12 m です。
  2. 速さは、v = 2πrT = 25.12 ÷ 5.0 = 5.024 m/s なので、2 桁に丸めて ≒ 5.0 m/s です。
  3. 回転数は、n = 1T = 1 ÷ 5.0 = 0.20 回/s です。

答え: 速さ 5.0 m/s、回転数 0.20 回/s

2ラジアンと角速度

1 s あたりに回る角を角速度 ω といい、速さは v = rω で求められます。角はラジアンで測ります。

項目1 のメリーゴーラウンドでは、あなた(中心から 2.0 m)と友だちは、どちらも 6.0 s で 1 周します。あなたと友だちを結ぶ直線は、いつも中心を通ったまま回ります。だから、同じ時間に 2 人が回る角は同じです。そこで、円運動では「1 s にどれだけの角を回るか」も使います。ただし、角は「度」ではなく、次の段落のラジアンという単位で測ります。

斜め上から見たメリーゴーラウンドの床が1.5秒で4分の1周回る絵。あなたと友だちを結ぶ線はいつも中心を通り、2人は同じ時間に同じ4分の1周だけ回る あなた 友だち
時刻 t = 1.5 s 2人とも 1/4 周

時刻は実際の時刻です。

円周の一部分を弧といいます。中心の角が同じなら、弧の長さは半径に比例します。半径が 2 倍の円では、同じ角の弧も 2 倍の長さです。そこで、角の大きさを「弧の長さ ÷ 半径」で表します。この表し方を弧度法といいます。弧の長さが半径とちょうど同じになる角を、1 ラジアンといいます。記号は rad と書きます。たとえば、半径 2.0 m の円で、弧の長さが 4.0 m なら、角は 4.0 ÷ 2.0 = 2.0 rad です。rad は、長さを長さで割った数につけた名前です。だから、単位の計算では、rad を書かずに消してかまいません。

1 周の弧の長さは、円周の 2πr です。だから、1 周の角は 2πr ÷ r = 2π rad です。半径 r がいくつでも、割り算で r が消えるので、1 周はいつも 2π rad です。1 周は 360° なので、360° = 2π rad です。半周の 180° は π rad、90° は π/2 rad です。

度360°180°90°
ラジアン2π rad(6.28 rad)π rad(3.14 rad)π/2 rad(1.57 rad)

1 rad は、度で表すと約 57° です。

弧の長さが半径と同じになる角が1ラジアン(約57度)であることと、半周180度がπラジアンであることを示す2つの円の図 r r 弧の長さ r 1 rad(約 57°) 弧の長さ πr 180° = π rad 1 周 360° = 2π rad

角 = 弧の長さ ÷ 半径 です。

回った角を、記号 θ(シータ)で表します。θ はラジアンで測ります。かかった時間を t とします。1 s あたりに回る角を角速度といい、記号 ω(オメガ)で表します。単位は rad/s です。

ω = θt

あなたは、1 周の 2π rad を 6.0 s で回ります。だから、ω = 2 × 3.14 ÷ 6.0 = 1.046… ≒ 1.0 rad/s です。友だちも 6.0 s で 1 周するので、角速度は同じ 1.0 rad/s です。

角の決め方「角 = 弧の長さ ÷ 半径」を書き直すと、「弧の長さ = 半径 × 角」です。1 s に回る角は ω なので、1 s に進む弧の長さは r × ω です。1 s に進む道のりが速さなので、速さは次の式で表せます。

v = rω

あなたの速さを求めるときは、ω に丸める前の 1.046… を使います。v = 2.0 × 1.046… = 2.09… ≒ 2.1 m/s で、項目1 で 2πr/T から求めた 2.1 m/s と同じです。

1 周の角 2π rad を、1 s に回る角 ω で割ると、1 周にかかる時間になります。

T = 2πω

あなたなら、T = 2 × 3.14 ÷ 1.046… = 6.0 s で、床の周期と同じです。

確認

半径の大きい円でも、1 周の角は 2π rad ですか。

答え

はい。角は弧の長さ ÷ 半径なので、半径が大きくなっても 2πr ÷ r = 2π rad です。

例題

1 周 4.0 s で回るメリーゴーラウンドの、中心から 3.0 m の所に木馬があります。木馬の角速度と速さを求めなさい。

  1. 1 周の角 2π rad を 4.0 s で回るので、ω = 2 × 3.14 ÷ 4.0 = 1.57 rad/s で、2 桁に丸めて ≒ 1.6 rad/s です。
  2. 速さは、v = rω = 3.0 × 1.57 = 4.71 m/s で、≒ 4.7 m/s です。

答え: 角速度 1.6 rad/s、速さ 4.7 m/s

3速度の向きと向心加速度

等速円運動では、速さは一定でも速度の向きが変わるので、円の中心を向く加速度があります。

項目1 とは別に、ゆっくり回るメリーゴーラウンドがあります。その中心から 4.0 m の所に木馬があります。木馬は、上から見て反時計回りに、一定の速さ 2.0 m/s で回っています。速さは一定ですが、木馬の進む向きは、円を回るにつれて変わり続けます。速度の矢印は、その点で円に引いた接線に沿って、進む向きを向きます。接線は、円にその 1 点だけで触れる直線です。接線は、その点を通る半径に垂直です。

メリーゴーラウンドを真上から見た絵。中心から4.0メートルの木馬が速さ2.0メートル毎秒で半周し、速度の矢印は長さが同じまま、向きが円の接線に沿って変わっていく v
時刻 t = 6.3 s 速さ 2.0 m/s

時刻は実際の時刻です。矢印の長さは速さを表します。

速度は、大きさ(速さ)と向きをもつ量で、矢印で表します。速さが同じでも、向きが変われば、速度は変わったことになります。速度が変わるなら、加速度があります。

円の上の点 P での速度を vP、P から少し時間がたった点 Q での速度を vQ とします。小さな P・Q は、点の名前です。速度の変化を、Δv と書きます。Δ(デルタ)は「変化」を表す記号です。vP と vQ の根元を 1 点にそろえて描くと、vP の先から vQ の先へ向かう矢印が Δv です。vP にこの矢印をつなぐと、vQ になるからです。Δv の大きさは、矢印を付けずに Δv と書きます。

加速度は、速度の変化 ÷ かかった時間です。P から Q までの時間を Δt とします。Δv ÷ Δt を、この間の平均の加速度といいます。平均の加速度の向きは、Δv の向きと同じです。

上の木馬(中心から 4.0 m、速さ 2.0 m/s)で計算します。角速度は ω = v ÷ r = 2.0 ÷ 4.0 = 0.50 rad/s です。P と Q の間の時間 Δt を小さくしながら、Δv と平均の加速度を計算すると、次の表のようになります。

P から Q までの時間 Δt(s)2.01.00.500.10
回った角(rad)1.00.500.250.050
速度の変化の大きさ Δv(m/s)1.920.990.500.10
v × 回った角(m/s)2.01.00.500.10
平均の加速度の大きさ Δv ÷ Δt(m/s²)0.960.991.001.00

Δt を小さくすると、平均の加速度の大きさは 1.00 m/s² に近づきます。向きは、Δt を小さくするほど、P から円の中心へ向かう向きに近づきます。表の「v × 回った角」の行は、このあとで使います。

円の上を進むと、半径の向きが変わります。速度の矢印は半径に垂直なので、半径と同じ角だけ向きを変えます。だから、vP と vQ の間の角は、P から Q まで回った角 ωΔt と同じです。

根元をそろえた速度の矢印vPとvQ。2本の先は速さvを半径とする破線の円の上にあり、間の角は回った角ωΔtと同じ。vPの先からvQの先への矢印がΔvベクトル 半径は速さ v 回った角 ωΔt と同じ vP vQ Δv

矢印の長さは速さ(どちらも v)を表します。Δt が小さいとき、Δv は破線の円の短い弧とほぼ同じ長さです。

上の図の矢印の長さは、速さ v(木馬なら 2.0 m/s)を表します。2本の矢印の先は、半径が v の円の上にあります。Δt が小さいとき、Δv の長さは、2本の先の間の短い弧の長さとほぼ同じです。項目2 の「弧の長さ = 半径 × 角」から、Δv ≒ v × ωΔt です。表の「Δv」の行と「v × 回った角」の行を比べると、Δt が小さいほど近づいています。Δt = 0.10 s では、どちらも 0.10 m/s です。

平均の加速度は Δv ÷ Δt ≒ v × ωΔt ÷ Δt = vω です。Δt を小さくするほど、vω に近づきます。この近づく先を、等速円運動の加速度の大きさとし、a と書きます。だから a = vω です。vω の v に rω を入れると、a = rω × ω = rω2 です。vω の ω に v ÷ r を入れると、a = v × v ÷ r = v2/r です。

a = rω2 = v2r

木馬なら、a = 2.02 ÷ 4.0 = 1.0 m/s² で、表の値が近づいた 1.00 と同じです。

等速円運動の加速度は、円の中心を向きます。これを向心加速度といいます。

下の図では、点 P と、P から Δt 後の点 Q の速度を比べます。Δt を小さくすると平均の加速度がどうなるかを確かめます。

半径2.0メートルの円を毎秒2.0メートルで回る球の、点Pと、PからΔt後の点Qの速度の矢印と、その差Δvベクトルを描いた図。Δtを選ぶと、速度の変化の大きさと平均の加速度の大きさを表示する 中心 平均の加速度の向き vP vQ P Q 根元をそろえると vP vQ Δv

半径 2.0 m の円を、速さ 2.0 m/s で回っています。橙の矢印は、長さではなく向きだけを表します。

速度の変化の大きさ Δv 平均の加速度の大きさ

やってみよう

「1.0 s 後」「0.50 s 後」「0.20 s 後」「0.10 s 後」のボタンを順に押して、平均の加速度の表示を読んでください。どの値に近づきますか。この円(半径 2.0 m、速さ 2.0 m/s)で v2/r を計算した値と比べてください。

分かること

1.92 → 1.98 → 2.00 → 2.00 m/s² と変わり、2.00 m/s² に近づきます。v2/r = 2.02 ÷ 2.0 = 2.0 m/s² と同じです。

確認

速さが変わらない円運動に、加速度はありますか。

答え

あります。速度の向きが変わり続けるからです。

例題

半径 0.50 m の円の上を、速さ 3.0 m/s で等速円運動している球があります。向心加速度の大きさを、a = v2/r と a = rω2 の両方で求めなさい。

  1. a = v2r に入れると、a = 3.02 ÷ 0.50 = 18 m/s² です。
  2. 角速度は、v = rω から ω = v ÷ r = 3.0 ÷ 0.50 = 6.0 rad/s です。
  3. a = rω2 に入れると、a = 0.50 × 6.02 = 18 m/s² で、1 と同じです。

答え: 18 m/s²(向きは円の中心)

練習問題

円周率は 3.14 とします。

パターン1 周期・回転数・角速度・速さ

問1糸につけた球を、半径 0.50 m の円の上で、1 周 2.0 s の一定の速さで回しました。球の角速度と速さを求めなさい。

答えを見る

角速度 3.1 rad/s、速さ 1.6 m/s

1 周の角 2π rad を 2.0 s で回るので、ω = 2 × 3.14 ÷ 2.0 = 3.14 ≒ 3.1 rad/s。速さは v = rω = 0.50 × 3.14 = 1.57 ≒ 1.6 m/s(2πr/T = 2 × 3.14 × 0.50 ÷ 2.0 = 1.57 m/s でも同じ)

問2扇風機の羽が、1 分間に 600 回転の一定の速さで回っています。羽の先は、中心から 0.15 m の所にあります。羽の回転数、周期、角速度と、羽の先の速さを求めなさい。

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回転数 10 回/s、周期 0.10 s、角速度 63 rad/s、速さ 9.4 m/s

1 分間 = 60 s に 600 回なので、回転数は n = 600 ÷ 60 = 10 回/s。周期は T = 1/n = 1 ÷ 10 = 0.10 s。角速度は ω = 2π/T = 2 × 3.14 ÷ 0.10 = 62.8 ≒ 63 rad/s。羽の先の速さは v = rω = 0.15 × 62.8 = 9.42 ≒ 9.4 m/s

パターン2 向心加速度の大きさ

問3半径 0.80 m の円の上を、角速度 5.0 rad/s で等速円運動している球があります。球の速さと、向心加速度の大きさを求めなさい。

答えを見る

速さ 4.0 m/s、向心加速度 20 m/s²

速さは v = rω = 0.80 × 5.0 = 4.0 m/s。向心加速度は a = rω2 = 0.80 × 5.02 = 20 m/s²(a = v2/r = 4.02 ÷ 0.80 = 20 m/s² でも同じ)

問4自動車が、半径 50 m の円の形のカーブを、一定の速さで曲がります。向心加速度の大きさが 2.0 m/s² を超えないように曲がるとき、出してよい最大の速さを求めなさい。

答えを見る

10 m/s

速さが最大のとき、向心加速度はちょうど 2.0 m/s² なので、a = v2/r に入れると 2.0 = v2 ÷ 50。v2 = 2.0 × 50 = 100 なので、v = 10 m/s

つまずきやすいところ

まとめ

公式

周期T = 2πrv1 周する時間です。回転数は n = 1/T です。
角速度ω = θtθ はラジアンで測った角です。
速さと角速度v = rω、T = 2πω
向心加速度a = rω2 = v2r円の中心を向きます。

物理 第4章 円運動と単振動

  1. 等速円運動
  2. 等速円運動(向心力)
  3. 慣性力と遠心力
  4. 鉛直面内の円運動
  5. 単振動
  6. 単振動(速度・加速度,復元力)
  7. ばね振り子と単振り子
  8. 単振動のエネルギー
  9. 単振動の応用
  10. 単振動の応用(2)

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